「和楽器バンド」の鈴華ゆう子が歌う演歌っぽいアニメ主題歌 & 海外で大ウケ「ADO の 演歌風 Growl」の起源とは!
前の東京オリンピックの年に生まれた自分のような世代は、演歌が好きとは言えないが、アニメ「田舎っぺ大将」の主題歌 (天童よしみ!)などを聴く事で、演歌の「節調」、こぶしに対する耐性はできた。一応、ギリギリ許容範囲なのである。ど演歌は生理的にダメでも、マイルドな演歌の中には「好きな歌もある」という程度には受け入れている。全否定ではないのである。
この「全否定はしない」というところが重要で、和楽器バンドの鈴華ゆう子がアニメの主題歌中にこうして「節調」をまぎれ混ませることで、今の子供たちにも、少しは演歌にたいする耐性ができるのではないかと思う。別に「演歌は日本人の心」などと思っているわけで全くないが、文化というものは多様であることに越したことはない。この歌を聞いた時には、自由で多様だったアニメソングの伝統が甦ったようで嬉しかったものだ。
ちなみに自分が「日本人の心」と勝手に思っているのは、明治維新以降、日本が近代化する過程で作られた文部省唱歌と昭和の唱歌(童謡と言うべきか)である。これは、子供の頃、よく風呂場で歌ったりハーモニカで吹いたりしていたので好きなのだ。映画「二十四の瞳」でさかんに歌われたような唱歌である。「青葉の笛」とか「蟹の床屋」とか「箱根八里」とか・・・うーん、ちょっと世代的にズレがあるかも(笑)
この手の唱歌に愛着を持つような日本人は、多分、自分くらいの世代が最後だろう。が、演歌の歌唱技法でもある節調(鈴花ゆう子は詩吟の師匠でもある)くらいは、来るべき世代にも耐性を持って欲しい・・・と思っていたら、ADO が出てきた。音楽の素養がない自分が言うのもなんだが、ADOのあの唸り唱法には、演歌の「こぶし」、「節調」の影響があるように思うのだ。
そして、今、この、都はるみをさらに縦に押しつぶしたような、 ADO の唸り、growl が、彼女のトレードマークとして、外国人 YouTuber に盛んに受けているのである。例えば、以下 Drummer Reacts から。2分45秒あたり。
実は、こういう演歌風の唸りは、鈴華ゆう子さんもやっているが、ADOの「うっせえわ」の方が先のようだ。下は、和楽器バンドの「エゴロック」カバー。和楽器バンドの公式 YouTube から。
おまけ、ボーカロイド版の「すりぃ」、オリジナル。「すりぃ」の公式 YouTube から。
以上、おまけ・・・と思っていたら、なんと、ADOが「歌い手」として、5年前に「エゴロック」をカバーしていたことを、大発見!(このクリップの Next 紹介ビデオに出てきた)これで、今、海外で大受けの、ADO的「演歌 Growl」の起源がはっきりした。あの唸りの、「少なくとも直接的な」起源は、「すりぃ」のボーカロイド曲「エゴロック」だったのである!いやあ、感動した!・・・でも、これって、ADOオタク業界ではもしかして常識?
以下、ADOの公式 YouTube から、ADOの「エゴロック」
この頃のADOなら、鈴華よう子さんの方がちょっといいようだ。付け加えておくと、あの「唸り」はブルースの唱法などにもあって、向こうの人にとってユニークではあるが、完全に異質なものではないようだ。ごた混ぜ投稿、失礼!ではでは
<了>
※アニメ「模範刀牙」の主題歌はトムスエンターテイメントの公式YouTubeから。https://www.tms-e.co.jp