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赤シャツ系メデイアのミャンマーニュース

akiyamabkk


2月4日付の Voice TV ミャンマーニュースまとめ(OverView)。ヴォイスTVはタクシン元首相一族が経営するテレビ局で、当然ながら現政権批判の急先鋒である。ミャンマー軍部によるクーデターにも一貫して批判的で、今や忘れ去られた感のあるミャンマー情勢も継続的に報道している。


ミャンマー軍政は、クーデターを正当化する時に、タイ軍部の手法を稚拙にベンチマークしているきらいがある。選挙で圧倒的支持を得たスーチーさんを経済犯として貶め、影響力と物理的自由を奪おうとしていることがその一例だ。しかし、タイの軍部は遥かにソフィスティケートされていて、比較的短期間に権力を失うことなく民生移管を果たした。


このあたりのバランス感覚の違いは決定的で、タイは国際社会の一員として認知され続ける一方、ミャンマーの軍政は国際的ペリエと化し、将軍たちは自国を道連れに自滅する方向に爆進している。彼らにとっては、軍の一部だけが生き残り、アジアの最貧国で相対的繁栄を謳歌できればそれでいいのかもしれない。ミャンマーの北朝鮮化である。しかし、北朝鮮のように「代を継ぐ洗脳」を国民が経験していない分、ミャンマー軍政の未来には不確定要素が伴う。


ミャンマーとタイとの関係は、プーチンがウクライナ侵攻のため、アメリカのイラク侵攻の(間違った)理由付けを鸚鵡返しに真似ていることに少し似ている。(プーチンは何の根拠もなくウクライナが大量破壊兵器を生産していると主張しているのである!)プーチンのプロパガンダには「アメリカの失敗の下手くそな模倣」という印象がつきまとうのである。タイの軍部を稚拙に模倣したミャンマーが国際的ハズレものとなったように、プーチンのロシアも今や「ならず者国家」認定を受ける寸前まできているようだ。


話がずいぶん逸れてしまったが、ヴォイスTVの面白いところは、低予算オペレーションであることを割り切って、ミャンマーのニュース映像は、全てSNSのフリー素材に頼っていることだ。(他のテレビも似たようなものだが現地リポートを入れたりもう少し往生際が悪い)ミャンマー情勢のまとめ冒頭には、必ずスマホで撮られたYoutubeやFacebookの映像を編集して載っけている。番組が借用したニュースソースを列挙しておくと・・・


Mizzima TV, Khid Thit Media CJ Myanmar Now. The Kokang Chinland Defence Anusorn Phungsuk の個人FB、เอก เกียรติสักดี แม่สอด のFB Kachin News Media, Karen News Irrawady in Burmese ・・・等々


律儀に全ての映像に引用元を記しているところに好感が持てる。あるいは、困難の中で粘り強く軍政に抗している、これらのニュースソースに敬意と共感を表する意味もあるのかもしれない。引用元の中では、Mynamar Now とIrrawady が優れていると思う。Mizzima TV は内部的な問題が生じたのか、最近、取材に精彩を欠いているようだ。


<了>

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