瀬戸正夫インタビュー③後半〜父との決別、言い残したいこと。
- akiyamabkk
- 2024年2月18日
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更新日:2024年2月28日
終戦後、敗戦国民としてバンコク郊外の収容所で暮らす瀬戸さんは、タイ生まれの日本人として、日本国籍を持ちながらタイに留まる道を選択する。捕虜殺害の容疑が晴れ日本に戻った父親とも連絡が取れ、瀬戸さんは、日本政府に、度々国籍申請を行うが、出生届が存在しないことがネックとなり、なかなか認められない。その苛立ちの中、瀬戸さんは衝撃的な事実を知る。タイ人の実母の存在だ。実の母親を探し当てた瀬戸さんは、実母の写真を添えて、長年自分を騙してきた父親に怒りの手紙を送る。それ以降、父親からの連絡は途絶えた。瀬戸さんは、再会した実母の協力を得てタイ国籍を取得し、タイ人ヴィワット・シータラクーンとして新たな人生を歩むことになった。
インタビューの最終回、様々な話題を拾っているが、さすがの瀬戸さんも、お疲れになり、日本の敗戦を知った時のご本人の心持ちを、きちんと聞けなかったのは残念だ。少し朦朧とされ、伝聞とご自分の体験の境目が曖昧になっている感じもある。その虚な感じは、歴史が個人の中で失われていく瞬間を目撃したようで、衝撃を受けた。瀬戸さんには申し訳なかったが、あえて、最後の部分を残した理由である。
<了>