top of page

<注目クリップ>人気司会者カイ・シーパットが番組でカミングアウトした感想を語る

akiyamabkk

人気司会者のカイ・パーシットが、自分の番組で、男性との9年越しの交際を公表した。コンビを組む女性司会者の冷やかし気味の質問に、笑顔で答えている。そういう映像である。



※動画は上のアドレスもしくは写真をクリック


タイでは、来年1月から婚姻平等法が施行され、同性間の結婚が可能になる。間違いなくその影響だろう。タイは比較的同性愛に寛容な国だが、それでも、公表を決断するまでに9年間かかったのだ。もっとも、この人は相当なイケメンだから、女性ファンへの配慮もあったのかもしれない。


しかし、女性はこういうことに敏感で、私の奥さんなどは、数年前から、この人が同性愛者であることを見抜いていた。動作や喋り方

の端々にそれが出るのだそうだ。普通に見て、わかるレベルのそれではなく、私は、いつも、「考えすぎ」だと反対していたが、彼女が正しかった。


日本で「LGBT理解推進法」の成立を受けて、「日本は以前から同性愛に寛容だったので法律など必要ない」と反対する人がいるが、それは欧米と比べてのことであって(イギリスでは1960年代まで、同性愛に刑法上の罰則があった)、1960年代の日本も同性愛者ははっきりと「日陰者」だったと思う。


私が大人になってからでも、スキャンダル雑誌「噂の真相」が「芸能界同性愛相姦図」的なものを「スキャンダル」として定期的に載せていたし、「犬神家の一族」などの横溝正史の小説では、「同性愛」は一族が決して表には出せない「恥部」として描かれていた。


(私が大好きな)真野響子が主演したTVドラマ「御宿かわせみ」では、物語のある登場人物が同性愛者だと仄めかされた時、真野演じる「るい」が嘔吐するような仕草をして、恥ずかしさに隣室に逃げていく描写があった。5、6年前に、そのシーンを再見して、「この回は、もう再放送できなくなるだろうな」と思ったものだ。


この「るい」の生理的反応に関しては、実は、私も同じで、男同士が寝床で愛し合うのを想像すると、正直気持ち悪い。この感覚はおそらく、死ぬまで変わらないだろう。しかし、そのような極めて人間的な行為に対して、死刑や重罪を宣告するような政治体制、ある種の信仰には怒りを感じる。


ボルテールではないが、「あなたの性的嗜好には生理的な嫌悪感を感じるが、あなたが自由に幸福を追求する権利は守る」・・・と、ちょっとカッコをつけて言えば、そういう気持ちなのである。


嬉し恥ずかしそうに、相棒の冷やかしに答えている、この男性司会者を見ていると、ちょっと感動した。人間が幸福を追求する自由度が上がることを進歩と言わずして、他に何を進歩と呼ぶのか、という感慨が湧いたのだ。


つまり、伝統主義者がいうほと「昔」は素晴らしくはなく、世の中は着実に進歩しているわけで、これは、我々の孫の世代にとって良いことに違いない。孫の後の世代のことはどっちでもいい。知らない人たちのことだから。あとは野となれ山となれ。(笑)


ではでは


<了>

bottom of page