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唱歌「子供の情景」(11) 〜働く子供

akiyamabkk


石炭のにおう駅舎の人ごみに  

 吐く息白し働く子供


この、煤ぼけたような暗い絵を見ると、どうしても、共産主義少年団、コムソモール、旧ソビエトみたいな印象を受けてしまう。おそらくフランスの駅前の情景なんだろうけど。


ひと昔前、モスクワのレストランに入ると、石炭ストーブと、お風呂に入っていない女の人(おそらくニシンの燻製かなんかの匂いなんだろうが)の体臭が混じりあった匂いが漂ってくる。これは、空港に降り立った瞬間からそうだ。大気が冷たければ、冷たいほど強く匂ってくる。 この絵を見ると、なんだか、同じような匂いが鼻をつくのである。


作曲の方は、妙な和音を試してみた。和音を作る基本は3度で音を合わせていくのだと、作曲入門みたいなサイトに書いていたが、五線紙にいちいち3度の音符を入力していく代わりに、ソフトの機能で機械的に移調させると、ちょっと不安定な、変な感じの和音になる。ピアノの鍵盤上で3度を弾くと、例えばドミの時は長3度、レファの時は短3度になる。一方、ソフトで移調した歌声を合わせた場合は、常に長3度の和音になるのだから、厳密には正しくないやり方なのだ。でも、この歌詞、このメロディだと、こっの方が合っているような気がしてこれにした。・・・というのは口実で手間が省けるのが一番の理由だった。


下絵の画家は「岸辺でワルツ」と同じマクシミリアン・リュス(Maximilien Luce)。Wikiを読むと、鉄道労働者の家に生まれ木版画職人の弟子として徒弟奉公した苦労人だったらしい。それが、題材にも作風にも表れているようだ。




<了>



参考・使用ソフト


Sinsy 

 

ぼーか郎 

 

楽譜制作ソフト 



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