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唱歌「子供の情景」(9) 〜貞子さん

akiyamabkk


幽霊が映っているとおどしても  

 怖がらぬ年になっちまったな


オルセー美術館の時計台の裏の部屋で撮影。白い煙のようなものが写っていたので、エクトプラズムに見立ててこういう歌を作った。貞子とは、言わずと知れた、あの!貞子である。振り向くと怖いという話はギリシャ神話にも古事記にも出てくるから、そこから拝借したが、こちらは振り向くのは貞子の方だ。


学校のチャイムを入れたのは「便所の花子さん」からの連想。自分の子供の頃は、まだ学校のトイレが汲み取り式だったので、便所に落ちて死んだ少女の話にはリアリティがあった。確か、花子さんと三度呼ぶと、便所の底に引きずり込まれたのではなかったか?学校で遊んでいて夕方のチャイムが鳴った後は、トイレを我慢して家に帰ったものだった。


花子さん以外にも、あの穴の底には、何やらいろんな恐ろしいものが蠢いていそうで、下を見るのが怖かった。人肥が普通に使われていた時代だから、お腹に虫を沸かす子も普通にいて、そちらの方での怪談めいた話も多かったのである。


メロディは童歌風にしたつもりだが、どうだろうか?


絵は、スイスの版画作家フェリックス・ヴァロットン(Félix Edouard Vallotton)の作。「物語の世界へ」でも使わせてもらった。版画作家らしい、明暗がかっちりとした硬質な画面構成が特徴のように思われる。色温度でいえば青側で、冷たい張り詰めた空気を感じさせる色彩。これは、何か冷え冷えとしたものに見張られている感じのする映画「リング」の雰囲気にも似ている。ま、単純に着ている服が似ているから、というのが一番大きいが(笑)




<了>


参考・使用ソフト


Sinsy 

 

ぼーか郎 

 

楽譜制作ソフト 






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