唱歌「子供の情景」(1) 〜物語の世界へ
ヘンゼルとグレーテルが今捨てられた
母さんの顔こわごわと見る
今から7、8年前、仕事でフランスへ行った帰路、半日ほどパリで自由な時間ができ、以前から見たかったオルセー美術館を見学することができた。「唱歌・子供の情景1〜13」で下絵に使っているのは、ほとんどがその時に見た絵である。画家の名前を写真に撮っておいて、帰ってきてからネットで調べて絵を探した。中には、美術館の中で撮影したものもある。「貞子さん」という歌の下絵に使っている写真がそれである。
あ、絵を「使った」というよりも、まず最初に好きな絵を選んで、絵のイメージに合わせて歌を作ったのだった。13曲になったのは、シューマンの「子供の情景」が13曲だったからだ。「子供の情景」(シューマンの)曲調に合うように好みの絵を選び、次に、選んだ絵のイメージに合わせて曲と詞を作ったのである。ややこしいが、そうやって、なんとか数を13作って「唱歌・子供の情景」と勝手に名付けたのだった。
下は、シューマンの「子供の情景」
さて、この投稿の絵は、スイスの版画作家フェリックス・ヴァロットン(Félix Edouard Vallotton0)の作品である。これが版画なのかどうか知らないが、明暗の付け方がはっきりしていて「版画っぽいな」と思う。本を覗き込む子供の顔がほとんど黒く潰れているのが不気味だが、歌詞が不吉な感じになったのはそれが理由だろう。
もちろん、歌詞は「時には母のない子のように」のパクリでもある。しかし、「時には母のない子のように」にしても、ガーシュイン作の有名なミュージカル曲のパクリだと思うから、別にかまわないだろう。
Sometimes I feel like a motherless child.
<了>
参考・使用ソフト
Sinsy
ぼーか郎
楽譜制作ソフト