唱歌「囚われの友へ」〜Ja Nus Hons Pris 「囚われ人はみな」への返歌
Ja Nus Hons Pris 「囚われ人はみな」は、十字軍の遠征で勇名を馳せた英国のリチャード一世王が、仏王達の奸計に嵌って幽閉されている時に作った歌だ。幽閉中に妹に送った手紙をもとにしているのだという。十分な身代金を払って自分を解放するとこができない友人や臣下の者どもに恨み言を述べている歌であるそうだ。
自作の唱歌は、その歌への返歌として、メロディーはそのままに日本語で歌詞をつけたもの。中世音楽の歴史の本に楽譜が載っていたので、それをそのまま楽譜ソフトに打ち込んで伴奏を作り、ボーカロイドに歌わせてみた。この本は、50バーツくらいの薄っぺらなゾッキ本で、シラパコーン大学の先生が教養課程の教科書として書いたものらしかったが、読んでいるうちに、なんでもいいから中世ヨーロッパ風のメロディで唱歌を作ってみたくなったのだ。
ライオンハートと讃えられた勇猛の王の恨み節に対して、その親しい友人が自分の無力を恥じ詫びている・・・という設定で歌詞をでっちあげたら、期せずして Amnesty International のテーマソングみたいになってしまった。自分は無条件の死刑廃止を支持しないが、アムネスティには頑張って貰いたことが色々ある。世の中には、権威主義的な政治権力や後進的な司法により、不当に権利を奪われたり、投獄されたりしている人がたくさんいるのだから、
下が本歌のJa Nus Hons Pris。素晴らしい歌声と演奏でしょう。歌い手は、 Owain Phyfe という米国ミシガン州の人だが、なぜがヨーロッパ中世の音楽が専門である。惜しいことに2012年に63歳で亡くなっている。
以下、Ja Nus Hons Pris の英訳。(オリジナルはフランス語)
No prisoner can tell his honest thought
Unless he speaks as one who suffers wrong;
But for his comfort as he may make a song.
My friends are many, but their gifts are naught.
Shame will be theirs, if, for my ransom, here
—I lie another year.
They know this well, my barons and my men,
Normandy, England, Gascony, Poitou,
That I had never follower so low
Whom I would leave in prison to my gain.
I say it not for a reproach to them,
—But prisoner I am!
The ancient proverb now I know for sure;
Death and a prison know nor kind nor tie,
Since for mere lack of gold they let me lie.
Much for myself I grieve; for them still more.
After my death they will have grievous wrong
—If I am a prisoner long.
※英訳は以下のサイトから
<了>
以下、歌の作成に使わせてもらったサイト
Sinsy
ぼーか郎
楽譜制作ソフト