今日の一面~コロナ流出阻止 地方への拡大を憂慮(タイラット紙 2021年6月30日号)
一面トップ、コロナ関連
◇コロナ拡大を阻止。労働者の地方への流出を憂慮。7月27日を祝日にするのはとりやめ。セックスワーカ―が嘆願、5000バーツの休業補償を求める。デルタ株コンケン県に現れる。日本のワクチンは来月初めに到着。シノバック、ゼリー状でも使用可能
※28日から、レイバーキャンプのロックダウンが始まった。当たり前のことだが効果はすぐ現れず、この日のバンコクの感染者数1600人、全国では4600人に上る。タイ建設業協会によると、800人~900人規模のキャンプでも逃げたのは10人程度、政府は5日ごとに労働者に現金を支給する方針で、支援内容を広報することで労働者の離散を防ぐ。しかし、バンコク首都圏だけで主要な建設現場が800か所以上あり、もれなく監視するのは至難の業だろう。今日コンケン県で見つかったデルタ株の感染者6人は、すべてバンコクからの帰郷者だった。
長引く対コロナ規制にたまりかねて、ソープランド、ゴーゴーバーやフリーランスのセックスワーカ―たちが、ハイヒールの中に嘆願書を入れて、首相府前で、プラユット首相が休業補償金の支給を訴えた。今月27日は、国内観光促進のため国民の休日として5連休にする予定だったが、コロナ感染拡大により休日化はとりやめとなった。観光、飲食、接客業の人たちには、しばらく厳しい時代が続く。
日本から支援のアストラゼネカワクチン105万回分は、7月の初めにタイに到着する。両国が交わした交換公文には、このワクチンは「軍事目的に使われない」という条文がある。さっこんの緊急事態下、タイの軍隊は、日本の自衛隊と同じように、コロナ防止に大きな役割を果たしている。例えば、先ほど記した労働キャンプの監視などは軍の仕事である。こういう兵隊へのワクチン接種を「軍事目的」とするのかどうか?そもそも、日本のワクチンだけ別の色がついているわけではなし(それとも日の丸でも印刷しているのか)、こういう区別は無意味だろう。タイメディアも「妙な事言うなあ」と好奇心交じりで、この条文を紹介しているように思う。
シノバックのワクチン、タイでも評判がイマイチであるところにもってきて、瓶の中にゼリー状のものが浮かんでいるのが見つかって大騒ぎになった。一時使用を停止していたが、タイ食品薬品安全局の調べで「使用して問題なし」となった。「冷やしすぎ」が問題だったようだ。シノバックは効果に疑問がもたれているが、二回目接種までの期間が4週間と短く、種証明書が早くもらえるという利点がある。(アストラゼネカは12~16週間)ワクチンパスポートとしての海外での評価は別として、例えば、今の規制下、国内で県境を越えるときに接種証明書が必要というケースが出てくるのである。
以上、タイのトップ記事は、日本や欧米の新聞と違い、注目記事のごった煮的見出しとなる。だから、真ん中の黒い記事のところだけでも、これだけの内容が入ってしまうのである。本日は他の記事は割愛。
<了>
参考
タイラット印刷版
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