不定期テレビ日記〜2023年10月
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2023年10月3日(火)
以下、産経新聞記事 「なぜ中国に授与しない」ノーベル賞に失望
ノート ノーベル賞の意味を理解していない人が中国には多いようだ。中国=非科学、ノーベル賞=科学なのだから仕方ないか。「非科学的社会主義」の国なのである。ずっと埋もれていた研究らしい。この人たちがいなければ、世界は大変なことになっていた、感謝。
結局、こういう無償の情熱、というか、やむにやまれぬ探究心みたいなものが、回り回って人類を救って来たのだな、と改めて思わせる。
カリコ氏は教授職さえ得られなかったのだと!
産経新聞記事「評価まで20年以上、ノーベル賞の知らせに「いたずらかも」 新型コロナのワクチン開発に貢献の米2教授」
2023年10月4日(水)
ノート ロアルド・ダールの Pig という小説を思い出した。理屈抜きで衝撃的な光景。豚肉とは豚の死体であることを思い出した。ダールの小説の主人公、大叔母にベジとして育てられた世間知らずの男の子ニックは、肉食の甘美な幸福を知った途端、見学に出かけた屠殺場で逆さ吊りの哀れな最期を遂げるのである。豚の解体の仕方は、小説の頃と基本的に変わってないようだが、ほとんどの工程をロボットが処理している。自分もニック少年と同じくらいモノを知らないが、この光景を見て豚肉が食べられなくなるほど純粋ではない。夢には出てくるかも知れないが・・・。延吉の市場に仰向けに並べられた「ビクターの犬」たちを思い出した。腹の所に血抜処理の赤い切れ込みが入った、硬直した犬の死体が、四本の足をピンと空へ向けて、ずらりと並べられ売られていた。その後、名物の犬肉鍋を食べたが、香菜をどっさりいれて臭みを消しているので、味はよくわからなかった。体があったまる、とよく言うのは、香菜と唐辛子の効果ではないか。
2023年10月5日(木)
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マレーシア航空で行く、福島、新潟、仙台の旅が8泊6日、56,900バーツから。バーツの感覚だと、かなりの割安感あり。「から」というのは、飛行機のクラスによるのだろうか。マレーシア航空で行く福島の宣伝がタイ語でフェイスブックに載せられるという・・・時代は変わった。バンコク発クアラルンプール経由で成田往復するのだ。ちなみに福島は大内宿、新潟は佐渡、仙台はお城がメインの観光スポットのようだ。福島に限らず、日本の魚を十分に堪能して来て欲しい。
2023年10月8日(日)
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ノート ジョン・バエズのドキュメンタリーがニューヨークでプレミア公開され、上映後に行われたパネルデスカッションの司会をジェーン・フォンダが務めた。二人とも、1973年、北爆下のハノイを訪れている、その繋がりだろう。「反戦セレブ繋がり」とでも言うか。昨年、ロシアのウクライナ侵略が起き、昨日、イスラエルーパレスチナ間に激烈な戦闘が勃発した。イスラエルは徹底的に報復するだろう。二人とも、「戦争反対」を叫ぶだけの反戦ナルシスよりは状況に対して能動的だった。戦争当事者のうちの「まだしもマシな側」に加担したのである。今回も、ジョン・バエズは、絶対平和主義者として複雑な心境を吐露しながらも、ゼレンスキーに賛辞を呈し、ウクライナへの人道支援に積極的である。パレスチナ問題、これは、本当に難しい。二人とも明確な立場を取れないのではないか。
2023年10月9日(月)
カオソット記事
ノート この記事の人、サイアムパラゴン乱射事件の犯人に顔が似ているので、周囲に好奇の目で見られて迷惑しているそうだ。確かに、口元が少し似ているが、後は、眼鏡、髪型が似ているのである。犯人は14歳で未成年だし、今、タイは、未成年に限らず、犯罪容疑者の顔の公開を法律で禁じているから、顔はわからないはずなのだが、写真や映像がネットでで回るので、ほぼ全てのタイ人が犯人の顔を知っている。この人は、ほとぼりが冷めるのを待つか、眼鏡と髪型を変えるしかないだろう。少年が有名な私立学校に通っていて、父親が大学の准教授という、比較的豊かな家の出であるからか、両親がバッシングを浴びているが、こういう時、一番辛いのは親だろう。掌中の玉のように大事に育ててきたに違いないのである。札幌の猟奇事件の時も思ったが、子供がまともに育つかどうかなど、運に過ぎないのではないか?自分を顧みてそう思う。大事に育ててきた我が子が、理解不能のモンスターと化している事を知った時の、親の絶望感はどれほどだろう。同情してしまうし、自分は運が良かったのだ、と思う。もっとも、育てたのはもっぱらカミさんだが。
ノート イスラエルが大変なことになっている。出稼ぎのタイ人も巻き添えを食い、何人もハマスに人質に取られているようだ。昨日の段階では、タイ人死亡一人、ハマスによる拘束11人。イスラエルとの人質交換のために民間人を片端から捕まえているのだからメチャクチャだ。これでハマスは、というかハマスが支配しているガザ地区は、ヨーロッパや日本からの支援を失うかも知れない。
スマホで撮った映像が、どんどんネットに出てきている。この映像もイスラエル南部だろうが、この地域のイスラエル人の家になら必ずあるシェルターが、仮住まいの彼らにはないので、トラックの下などに避難しているようだ。多くは農園の労働者だから、作業場所の近くに建てられたプレハブか何かに住んでいるのだろう。以前は、カミさんの村からも、親戚がイスラエルに出稼ぎ出ていたが、さっき確認すると、今はいないとのこと。これは幸いだった。
タイ政府は、空軍に、自国民救出のため航空機派遣の準備を命じた。1997年のカンボジアのクーデタの時、タイ政府は、いち早く救出の空軍機を派遣して、戦火に巻き込まれた日本人を羨ましがらせた。これは、タイがすごいのではなく、それができない日本がおかしいのだが。
しかし、ネットに続々と出てくる映像を見ていると、日本人記者のアリバイレポートなどかったるくて見る気がしなくなったのはこのせいだな、と改めて思わせられた。おそらく、こういう本当に危ない状況では、自称「戦場記者」などは現地に行かないのだろうが。おそらく今回も、リスクを取るのはフリーの人たちだろう。
今朝ニュースを見たら(10月9日)タイ人の死者は12人に増えていた。驚いた。彼らの多くは、異国で働いて送金し、一家の生計を支えている大黒柱だろう。彼らが死ねば、家族はたちまち露頭に迷うのだ。
ガザ周辺で働くタイ人、約5000人。その後のニュースだが、ハマスがタイ人労働者の宿舎に押し入り、銃を乱射して10人以上の死者が出ている。ハマスは、ガザとの国境近くで開催された音楽コンサートでも同じことをやり、こちらは数百人単位の死者が出ているという。イスラエルみたいなハリネズミ国家でそんな事が可能なのか。事情がよくわからないが、平和コンサートみたいなものだっため、警戒が緩んだのではないか。テルアビブ乱射事件を思い出した。そういえば、あの日本人はアラブでは英雄なのである。しかし、今回、イスラム社会のマジョリティが、この行動に大義ありと認めるかどうか、疑問である。
2023年10月10日(火)
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ジャック・ブラックはユダヤ系だったのか!知らなかった。やはり、天才はユダヤ系にしか生まれないのだ。これはリベラルジューを代表する意見。しかし、これが、あの、肌踊りをしていた男の文章とは!感動した。他の人の文章を転載した可能性もあるが、いずれにしろ、コメディアンが真顔になる時、人々は、ことの重大さにショックを受け、感じ入るものなのだ。これを安っぽく乱用すると、吉本の芸人みたいにあざとい印象になるが、今はまさに、ジャック・ブラックにとって、真顔となるべき瞬間なのだろう。
2023年10月11日(水)
◇タイ映画「ティーヨット」の主題歌。
当代のイケメン俳優、ナデット・クキミヤの主演でこの主題歌だから純愛映画かなと思ったら、ホラー映画である。「タイの映画宣伝も手が込んだことをやり始めたな」とも思ったのだが、タイ人の間では有名な都市伝説的怪談話しらしく、サプライズを感じたのは、私のような物を知らない外国人だけのようだ。タイ最大の掲示板サイトに投稿されたある一家にまつわる怪談話が、大バズりし、コメント2000、10数万シェア、気を良くした投稿者が小説化し、これも出版小国タイとしてはよく売れて、今回、映画化のはこびとなったよう。映画の劇場&ストリーム公開は10月26日だが、主題歌のミュージックビデオがプレミアム公開された。一家に取り憑いたピーポーップという悪霊が50年の歳月を経て現代に蘇る・・・みたいな話しらしい。ピーポーップというのは、タイ人なら誰でも知っている、人間に取り憑いて内臓を食い荒らす悪い精霊である。歌の題名は「ティーが帰ってくる」。ティー、とは貞子みたいなお化けの個人名だろうか。しかし、好きですな、タイ人も、怖いお話しが・・・以下は、映画版の予告。
2023年10月19日(木)
◇タイの国産アニメ「戦士モントラー〜八つの月の伝説」
10月11日から公開。内容は、タイ神話「ラーマキエン」(ラーマヤナのタイバージョン)を下敷きに、トランスフォーマーと化した善神と鬼神が大戦争を繰り広げるSFファンタジー・・・といった感じか。500年に一度、宇宙を破壊・創造する力を秘めたシーダ姫や、姫を誘拐し世界征服を企む魔王トサカンなど、神話の登場人物が実名で出てくる。シーダ姫の声を担当するのは、今、タイ一番の人気女優、ベラ・ラニー・ケンペン、アニメ制作はエバンゲリオン最新作の制作にも関わったプロダクション Riff Studio、ピクサー出身のタイ人アニメーターが監督を務めている。
ホンモノの「ラーマキエン」なら孫を連れて見に行こうかと思うだろうが、新旧の折衷の仕方に無理矢理感があって、ちょっと微妙。元々、ラーマキエンは、大人が見る、ドロドロの愛憎劇の側面があって、子供に見せるならそれなりにマイルドに脚色する必要がある。結局、同時に上映されている「ドラえもん〜のび太と空の理想郷」に連れていくことにした。あるいは、ディズニー制作のWish でもよい・・・おそらく、タイ人の親の選択も、そのようになるのではないか?若いアニメファン向けならば、タイ神話を前面に出すのはどうか。敬遠されるだろう。タイの国産アニメとして何度目かの挑戦だが、今回も失敗に終わりそうな予感。
2023年10月20日(金)
◇検閲官としてのAI
「チャップリンの暗黒面」と題されたタイ語記事を日本語に訳すようChat GPTに指令を出すと、サイトのルール違反となる恐れがあるとして、拒絶された。重ねて質問すると以下のような説明があった。
The warning you received may not necessarily be about copyright violations, but rather about generating content that could be harmful, false, or offensive to individuals. OpenAI aims to maintain ethical and responsible AI use. If you have questions or concerns about specific content, it's best to reach out to OpenAI directly for clarification on their policies and guidelines.
このタイ語の文章は、出典(英語記事)を明記したちゃんとしたものだし、チャップリンの性的放埒、特に、少女好みは、映画史的な定説で、裁判にもなり、元妻の暴露本なども出版されている。
こういう微妙な言論の分野でも、AIが機械的な採決権を持つようになれば、言論の自由はかなり窮屈な事になるのではないか。
以下、件のタイ語記事。終わりに英語の参考文献が明記してある。タイ語は読めるので訳させる必要はなかったが、Chat GPTのタイ語能力が進化したかテストしたかったのだ。
水泳日誌 2023/10/20
拝借したGoPro 10 で撮影。ゴープロには超広角があるので室内撮影用に借りたのだ。不動産サイトに載せる写真用である。ついでに水泳も広角で撮っておいた。一応4K(3840×2160)なので、少し編集で寄ってもそれほど荒れないし、水の質感が全然違う。フリーソフト、iMovie でも編集できた。フェイスブックにアップしても映像の質は維持されている。キックを意識して下に打つように心がけてから、平泳ぎが少しは進むようになったようだ。
2023年10月23日(月)
ノート 小三治の「うどん屋」と中川家の「タクシー」。江戸庶民生活のスケッチと、現代の関西系ヘンな人のカリカチュアだが、どちらも、「強気に振る舞っているが、気が弱くなっている初老の男」の姿が浮かんできて身につまされる。また、どちらも、笑いと、しんみりさせるところの塩梅が見事である。ペーソスというようなわざとらしいものではなく、人間観察からくる笑いであり、感慨であるからだろう。
2023年10月24日(火)
◇YouTubeデビューの幼児向け?アニメーション
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Skibidi Toilet とTV Man というキャラクターが登場するアニメが、なぜか4歳の孫とその友人たちに大人気である。グルジアのアニメーターが作ってYouTubeのショートに投稿しているもので、それなりに他でも人気のようだ。内容からして大人の見るものではないが、YouTubeは規制していない。通常、YouTubeは、子供向けのコンテンツに敏感なのだが・・・トイレ、おしっこ、ウンコ、というのは、幼児の一大関心事で、子供はウンコの話が大好きである。だから目の付け所が良かったと言えるのかもしれない。トイレット博士という半世紀前の漫画を思い出した(笑) あれは世間に叩かれていたなあ。彼女が怒って叫んでいるのは、鑑賞の邪魔をしたためで、見るのを禁じたためではない。念のため。
2023年10月26日(木)
ノート ハンク・ウィリアムスの Lonesome Whistle 。歌詞をよく聞いてみると、汽笛の音は刑務所の中で聞いているのだ。汽笛は、恋人を捨てて放浪した人生の、時々に聞いた音で、破滅した人生の象徴なのである。この歌をパクった「どうにかなるさ」の夜汽車が、日本のある時代の、根拠のない楽天性の象徴であることと対照的でちょっと面白い。模倣された方は、「私は、抜け殻となり、髪が雪のように白くなるまで、ここに閉じ込められるだろう」と容赦なく絶望しているのである。
おそらく「悲しき汽笛」と「どうにかなるさ」から想を得た「遠くで汽笛を聞きながら」は、これらの歌のニューミュージック的ツイストであり、楽天的な気分より、人生の苦さの方にやや重点を置いている。しかしながら、一生を監獄で暮らすよりは、なんぼかマシなわけで(笑)、「何もいい事がなかった」街から出て行く希望もある。ニューミュージック的な塩梅の良さ、忖度の妙である。
三曲とも好きな歌だが、年齢を重ねるにつれて、Lonesome Whistle の容赦ない絶望が身につまされるようになるのではないか。別に、監獄に入ったことがあるわけではないし、こういう歌が、人生をドラマタイズして気持ち良くなるツールに過ぎないことも承知しているが(カントリーとは、というか、歌というのはそういうものだろう)、余計な粉飾がなく正直なところが気持ちがいいのである。
以下、かまやつひろしの「どうにかなるさ」 https://youtu.be/yg67Rx0BQqQ?feature=shared
アリスの「遠くで汽笛を聞きながら」
合掌
2023年10月27日(金)
カオソット紙記事「年間700人の子どもが水死、水泳教育に力点」より
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ノート やけにそういうニュースが多いと思っていたら、水難事故で亡くなる子が年間700人を超えるのだという。そういえば、泳ぎのうまいタイ人をあまり見たことがない。半分くらいは海がない県だし、プールのある学校も少ないのだ。アパートのプールで周りを見回しても、3年前、殆ど泳げずに水泳を始めた自分が、一番、うまいくらいである。みんな笑っちゃうような泳ぎ方をしている。上手い人は、外国人か、個人教授にきた水泳インストラクターなのだ。
2023年10月30日(月)
ノート Hatikvah イスラエルの国歌。希望という意味。改まって聞く事もなかったが、じっくり聴くと結構いい曲。日本の子守唄のようなイメージである。出だしはモルダウにもちょっと似ている。歌詞に改めて驚かされた。希望というのは、ユダヤ人の2000年の希望という事なのだから、側からは口出ししにくいのだ。