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不定期テレビ日記〜2023年09月

akiyamabkk



2023年9月5日(火)



人工知能作詞の楽曲、Story、スクウエアーに普通に泣かせる。しかし、これだけ、決まり文句、定形のパターンを完璧に使いこなせるなら、それを裏切る事も、比較的簡単に覚えるのではないか。「愛ってよく分からないけど、傷つく感じがいいね」みたいな、比較的単純な逆説表現までは、すぐ行けそうな気がする。


これもAIが作詞した、とまでは言えないのかも。AIに吐き出させた言葉を人間が繋ぎ合わせて、構成したということか。ま、普通にイケテイルと思うが・・・



産経新聞記事 「ソウル市、慰安婦問題の造形物撤去 制作者が性犯罪」



ノート 以下記事の本文から引用、


<・・呉世勲(オ・セフン)市長は「セクハラを認めた作家の作品撤去を阻むのは、(女性運動を行う)団体の存在理由を自ら否定する行為」と反論。「もはや市民運動は『身内擁護』運動に変質した」と批判した。・・>


これこれ、自分はこういう人たちを「縁故左翼」と呼んでいる。今になっても、ロシアや中国、北朝鮮のような国を支持している左翼は、本当に左翼なのか。要はいきがかり上、今までの自分の主張を否定するのも面倒だから支持しているか、明確な利害関係があるか、どちらかなのだろう。このケースは、後者だろうが、彼らも「身内擁護」の「縁故左翼」の典型だと思う。あるいは「惰性左翼」




2023年9月6日(水)



ノート 乱歩の短編小説「芋虫」。新青年への掲載が1929年。「ジョニーは戦場に行った」の公開が1971年だから、乱歩は、この手足のない、耳も聞こえず、口もきけない傷病兵と貞女のはずだった妻の奇譚を、先駆的に思い付いた事になる。ハッキリと描写はされていないが、この究極の不具となった退役中尉にペニスはあったのだ。(胴体だけの体がトルソーと描写されていたが、そういえば、美術の時間に見た石膏像の写真にペニスはあったと思う。)ここに、「ジョニーは戦場に行った」の反戦的清純残酷話と趣を異にする、乱歩の世界が展開する余地があるわけだ。


※ここ以降、小説の結末のタネアカシあり


随分前に読んだのだが、夫の非難の眼差しに激昂した妻が、彼に唯一残された感覚器官を潰してしまう(目を錐で刺す、と間違って記憶していた)ところで小説が終わると思っていた。職人が発作的に客の喉を切り裂きく、志賀直哉の「剃刀」みたいな終わり方だと思い込んでいた。しかし実際は、乱歩らしい冗長さ、丁寧な念押しがあって、物語はしばらく続いてから、結びの句が、この短編小説の題名の由来になっていた。あまりのグロさに嫌になって途中で読むのをやめたのかな・・・とも思ったが、朗読を聞き終わってみると、最後まで読んでいたことを思い出していた。


乱歩は、この小説を、独特の変態的興味から書いたようで、「反戦小説」として評価されることは本意ではなかったそうだが、乱歩の人間観がよく出ていて興味深い。というか、性的なくすぐりエスカレートする部分は別として、だいたいの人が、この展開を、ある種自然な成行として受け止めるのではないか。つまり、反戦小説としてのリアリズムを十分に備えていると思った。小説が発表された1929年は、世界大恐慌が起こった年、満州事変の二年前だから、戦時体制はまだ本格化していなかったとしても、ホラーファンタジー的な体裁でなければ、こういうテーマの小説は発表できなかったのではないか?それが、乱歩の意図した事ではなかったにしろ、この短編が「反戦小説」として歴史に残った理由の一つかと思う。


最近、読書は目が疲れて面倒なので、YouTubeで朗読をよく聞いている。この朗読は非常にうまい。読んでいるのはプロの声優さんではないか。男性が一人で小説を朗読する場合、女性の声色が鬼門だが、程よい塩梅で処理している。歌舞伎の女方のような印象になると自分は興醒めなのである。パブリックドメイン入りしている小説なので、青空文庫などでもオリジナルが読める・・・と思ったら、まだ、書き起こし作業中だった。残念。




◇インド人ダンサーが継承した映画「エクソシスト」の動き



これはすごい。この体技は、中世なら、確実に魔女認定されて、火炙りになるだろう。インドのオーディション番組の映像のようだが、この天才少女舞踏家がインスパイアされているのは、リングなどとともに、遠くはエクソシストなのですな。あの、アベコベ歩きというか、逆エビ反り歩行というか、人間の骨格の構造をバカにする悪魔の動きというのは、日本映画「呪怨」の発明かと思っていたら、元々は「エクソシスト」なのである。その事を長いこと忘れていて最近思い出した。「呪怨」は海外でも有名なので、このインドの少女は、ひょっとしたら、「呪怨」の方をまねているのかもしれないが、オリジナルは「エクソシスト」なのである。まあ、メイクの感じからいっても、「エクソシスト」をまねてるのだろうな。とにかく、すごい踊りなので、見てみてほしい。


踊りのテーマは、どうやら、人身売買じゃないかと思います。女の子は、男に騙され、売られ、絶望の中で死に、悪鬼と化して、男に復讐する。私の妄想かもしれませんが、そういう啓蒙的寸劇ではないかと。




2023年9月7日(木)

朝鮮日報「事あるごとに北朝鮮が指令を下して、韓国で忠実に実行されていただなんて」


朝鮮日報記事。最近の汚染水デマ工作なども、一部に対しては、北朝鮮から指導がきているのだろう。全てとまでは言わないが。以前なら「韓国の右派メディアが流した反共デマ」と決めつけたところだが、今では「さもありなん」と思うだけだ。ソ連崩壊後のKGB文書の流出と、なんといっても日本人拉致という国家犯罪が、疑いの余地なく立証されたことが大きい。あんな非道なことをやるのなら、このくらいのことは当然やるだろうと思わせるのだ。




2023年9月8日(金)



ジョン・バエズのドキュメンタリー映画、Joan Baez I Am A Noise. 来月アメリカで劇場とネットで同時公開とのこと。社会に問題のありかを知らせるための雑音、ノイズであろうとした、という意味だろうか。それにしても、随分、高らかと、聳え立つように、あたりに響き渡るノイズであることだ。


ジョン・バエズには、こういうアルバムもある。彼女たちが、北爆時に、人間の盾として、ハノイに留まった時の記録である。Where are you now, my son?



現場で録音された音に、例えば、こういう詩が挿入される。以下、拙訳

ある年老いた女性が、爆撃でできた穴の中を突きまわしている 服の切れ端や、靴らしきものの破片、一生のすべての厄介ごとの名残を 彼女の喉から出てくる呪文のような泣き声が、朝の空気を切り裂いている 彼女の一人息子が昨夜、彼女の足の下に埋められたのだ


 誰かが言う 戦争は終わった!  ああ息子よ、今お前はどこにいるの?





2023年9月10日(日)


前言を翻すが、これは、ひょっとしたら傑作ではないか?予告を見て、そう思った。「ツィゴイネルワイゼン」みたいな感じの映画かな。あの映画も、筋は意味不明だったが、結構、面白かった。映像が面白かったのだ。少なくとも、「キングダム」とか、最近公開の他の映画のよりは、断然、期待を持たせる予告編のデキだった。これは、本編にいい映像があるということだ。それにしても、日本公開前に予告くらい見せとけよな。あちらでの公開は12月8日。太平洋戦争の開戦日と同じなのは、何か、宮崎的意味があるのか。もっとも、真珠湾攻撃は、ハワイ時間では12月7日だが。




2023年9月12日(火)


◇「ハウルの動く城」のテーマを弾くイスラムの少女。



マレー語を使っているから、インドネシアかマレーシアの女の子だろう。エレキギターでいろんな曲をコピーして、ネットで披露しているようだ。世界には、歌舞音曲を禁止するようなムスリムばかりいるわけではないのだ。特に、東南アジアのムスリムは違う。中近東のムスリムを砂や石のムスリムとするなら、東南アジアのムスリムは木のムスリムという感じがする。だから、我々の日本の湿地帯の自然をバックグラウンドとする宮崎アニメに、東南アジアの子供たちは、極めて自然に入りこんでいくことだろう。(でも、こちらでは、アナ雪やハリーポッターの方が断然人気が高いのだが・・・)


久石譲のジブリ曲には好きな曲が多いが、敢えて挙げるなら「いつも何度でも」「港の見える街」とそれから、この「人生のメリーゴーランド」が好きですな。「ハウル」は見ていないが、この曲を聴くと、「ひまわり」とか「ドクトルジバコ」とか、ああいう大河小説的な映画のテーマが頭に浮かんでくる。




2023年9月13日(水)


ノート 共産党候補者の「汚染魚」発言。党中央が撤回させ、当人は候補者から降りたようだが、これで最終的に共産党を見放した、という人も多いのではないか。「左翼というのは、こういう事を言って溜飲を下げていればいいのだから楽な商売だ」というのが、無党派層、と言えば聞こえがいいが、浮動層、支持政党無し層の、大半が抱く感想ではないか。しかし、これが、「科学的社会主義」の「前衛」と称する党が言うこととは!アメリカと自民党を批判できさえすれば、独裁政権のプロパガンダの尻馬に乗る事も、トンデモ学説で風評被害を拡散することも、なんでもありなのか?もし、この人の見解が、党の見解と全く相入れないのなら、共産党は、この人こそを除名にすべきだろうが、おそらく、そうはしないだろう。この人は、少しばかり言葉がすぎただけで、党中央の汚染水レトリックを、党の選挙民忖度の匙加減を超えてエスカレートさせたに過ぎないのだと思う。




2023年9月14日(木)


ノート この人の朗読、悪くない。感情を抑制して読む人が多いが、この詩の中で、宮沢賢治は、明らかに、激情しているのだ。激情している詩を抑制的にしか読めないのは、芸がないからだろう。この人も悪くないが、舞台のうまい役者なら、もっと、激しく上手に読めるのではないか。詩の終わり近く、妹に与える雪、みぞれを、「天上のアイスクリーム」と読む人と、「兜率の天の食」と読む人と、二通りあるのを、怪訝に思っていたが、これは、賢治本人が、前者から後者に直したのだそうだ。どうも、賢治の宗教観が関わってくるらしい。(こんな事も、今は、ネットで調べれば5分で分かる。)つまり、後者が最終形なわけだが、自分は、「天上のアイスクリーム」の方が好きだ。賢治の、妹に対する愛情が、ストレートに伝わってくる。この一節に、泣かない人はいないだろう。




2023年9月15日(金)


◇映画「ジュディ」で最も衝撃的だったシーン




以下、拙訳


ジュディ:あなた方が会いにきてくれて、本当に嬉しい。 時々、あなたたち二人こっそりを見てたのよ 味方がそこにいるような気がして


男:1964年のコンサートは来れなかったから・・・

ジュディ: チケットが取れなかったの?

男 : そうじゃなくて・・・スタンは・・・本当なら婚約してた・・・ 猥褻罪で6ヶ月間投獄されてたんだ ジュディ : 監獄に?!・・・・


男 : そのあと法律が変わったけど・・・ 結局、僕らは何も悪いことをしていないわけだし・・・


ジョディ : 連中は自分と違った人間が我慢できないの だからやたらと吠えつくのよ 本当にクズみたいな連中!


・・・・ピアノを演奏しながらジュディとともにGet Happy(だったか?) を歌う男を、ジュディは愛おしそうに後ろから抱きしめる。


このシーンが映画で最も感動的だった。


場面自体はフィクションかもしれないが、 レインボーがLGBTQ運動の象徴とされる理由の一つがこれだろう。


以下、ジュディ・ガーランドの名曲「虹の彼方に」




2023年9月20日(水)



中央日報「尹美香氏、2審で懲役1年6カ月・執行猶予3年…議員職はく奪の危機」


ノート 正義の味方の嘘八百(笑) こういう偶像破壊は何でも面白い。この場合、偶像と言うにはチンケだが。誰か、ホーチミンやチェ・ゲバラの偶像を破壊するものはいないか?ホーチミンに関していえば、「革命と結婚した」などと言われていたが、いく先々で女性が用意され、子供もいたようだ。しかし、まあ、この程度では偶像破壊とまでは言えない。毛沢東みたいな皇帝まがいの猟色とまでいかないと、インパクトがない。




2023年9月26日(火)


AGTが大変なことになっている。チビユニティとアバンギャルディという二つのダンスチームが大絶賛を受け、二チーム揃ってファイナルに進出したのだ。日本人はいったいどうしてしまったのか。自信に満ち溢れているではないか!(笑)


チビユニティは、アバンギャルディに比べて完成度は劣るが(チビnユニティはアクロバティクな動きをする時にモタモタ感がある)、あちらの土俵で勝負しようとしているところ、ワンオクの楽曲を使用しているところに好感が持てる。アバンギャルディは、完璧と言っていいシンクロぶりと、岸田劉生の麗子像を連想させる女の子たち不気味な容貌、コミカルかつ奇形的な動きがセールスポイントだが、審査員と観客のオリエンタリズムが評価が嵩上げしている感じがある。一般視聴者の素直な好感は、チビユニティに向かうのではないか。それにしても、最近の日本人はすごい!


以下は、アバンギャルディの演技。こちらも文句なくすばらしい。




2023年9月28日(木)


これが、十三年前の曲か。今年になるまで全然知らなかった。どんな状況、気持ちの時でも、聞ける歌があるのがワンオクのすごいとことろ。Full Package のバンドである。フルパッケージというのは、井上尚弥を形容する時によく使われる言葉だが、 そういえば、尚哉が練習中に出す掛け声と、タカがコンサートで観客を鼓舞する時の叫び声はよく似ている。鋭く高い「裂帛の気合い」という風の声なのである。タカはサッカー選手を目指していたというが、彼もまごうことなくアスリートなのだ。この曲のコンサートバージョン見ると、その驚異的な体力、肺活量、動きながら歌う時のブレスコントロールの凄さに、その事を痛感させられる。何回も見たが、絶対に口パクではない。下はコンサートバージョン。


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