不定期テレビ日記〜2023年11月
2023年11月3日(金)
こんなオモチャまで・・・
グルジア(ジョージア)発の大ヒットキャラクター。
2023年11月4日(土)
ノート 「タリバンは2021年8月の政権掌握以来、女子の中等教育(日本の中学・高校に相当)を停止。22年12月には大学教育も停止した。(共同)」
はっきり言って連中は頭おかしい。文化、宗教によって正当化できない、普遍的権利の侵害、というものがあると思う。男女の共学を認めないというところまでは、百歩譲って認めよう。今のようになる前のハマスがそうだった。しかし、女性の教育自体を否定する事を文化相対主義で正当化することはできない。東南アジアのムスリム、例えば、マレーシアのメインストリームのムスリムが聞けば、「そんな社会で娘を育てたくない」と思う人が大半ではないか。宗教の、というよりも、正気かそうでないかの違いじゃないかと思う。
2023年11月7日(火)
ノート かねがね、ワンオクの歌がすぐ好きになるのは、先行する耳に馴染んだメロディーが存在するからだろうと思っていたが、これは、その極端な例だろう。One Way Ticket のサビと、Everytimeのサビのメロディーが全く同じである。歌詞の類似性も併せて考えると、意識してやった「引用」と考えていいのではないか。タカの英語の歌づくりは、英語ネイティブのプロデューサーとの合作のようだから、彼らが、Youtubeで1億回以上再生されている超有名歌手の歌を知らないはずがないと思うのである。それにしても、自分は、ブリットニー・スピヤーズの歌など、意識して聴いた事がないのだ。それが、ワンオクの One Way Ticket を最初に聞いた時に、自分になんらかの作用を及ぼしたのだとしたら、「受動喫煙的無意識的視聴の効果恐るべし」と言わねばなるまい。我々は、音と映像の洪水の中で暮らしていて、その大半を聞き流し、見流してはいるのだが、メロディーの記憶はどこかに蓄えれているいるのだ。以下、ワンオクのOne Way Ticket 。今、自分の中では、歌の時間的序列が逆転し、ワンオクのこの歌を何回も聴いたせいで、スピアーズの歌が、すぐ好きになった。
2023年11月09日(木)
Biden wants a two-state solution for Israeli-Palestinian peace. Is it still possible?(NPR 米公共ラジオのホームページより)
ノート イスマイル・ハニーヤが停戦を条件に二国間解決案の交渉に応じると述べたらしい。驚いた。この人が既にハマスの意思決定から疎外されているか、ハマスがそれほどに軍事的に追い詰められているか、あるいは国際世論をさらに有利な方向に持っていくためのギミックか、おそらく全部が少しづつ正しいのではないか。Wikiによると、この人も亡命中で、10月7日にはイスタンブールにいたという。
今回のテロ攻撃を指揮したガザ地区でのハマス最高指導者が、地下施設に隠れているところを、イスラエル軍に拘束されたようだ。この人(Yahya Sinwar) は、イスラエルへの協力者としてパレスチナ人四人を殺害した罪で服役中だったが、イスラエル兵との捕虜交換で釈放されている。イスラエルが今回捕虜交換(ハマスメンバーが6000人ほど服役中)に消極的なのは、このことが理由の一つだという報道があった。ハマスは既に指揮系統が乱れて、停戦しようにも、現地で命令できる人間がいないのではないか。
◇クレージージャーニーでまた不祥事「“イスラム国に潜入取材”は不正確な表現でした」
ノート 恥ずかしい。「潜入取材した」とされたこの人は、「戦場記者」というドキュメンタリー映画を、自分のこととして、自分で監督して作った同局の社員記者。SNSでホンモノの映像が、当事者から、リアルタイムで発信される時代に、旧来の、「行ったふり記者」「危ないふりジャーナリズム」に意味がなくなった事が分からないのかな。「いや、ネット情報はあてにならない」と言いたいのかもしれないが、同じ局の別の番組では、生成AIによるフェイク画像としたハマス批判の写真が、ホンモノであったことがSNSで暴露され、謝罪に追い込まれている。イデオロギー優先だから間違うのだと指摘する人もいるが、そんな上等なものではなく、何のことはない、周りに忖度した惰性のポーズにすぎないのだと思う。視聴者の無知に漬け込んで煽ろうとしたのは、報道バライティのブレーキングダウン化というべきか。しかし、無知なはずの視聴者は、SNSという武器を得て、あっという間に、ファクトチェッカーをファクトチェックしてしまった。それにしても、このぐらいのファクトチェック、アラビア語はできなくても、自分でも簡単にできる。報道系番組のテレビ作りの大半が、低賃金の最下層労働に依存していることの弊害ではないか。クレイジー云々の方は、大物芸人がMCだから、視聴率のプレッシャーが制作者を過剰広告、過剰演出に走らせたのだと思う。おそらく、制作したのはバラエティ系のディレクターだろうが、報道番組をエンタメ系のDが作った時、面白いものができる場合が多いことも付け加えておく。
例えば、こういうサイトがある。映像の真偽を検証してくれるサイト。ネットでのこのサイトの評判をチェックする必要はあるが。
2023年11月10日(金)
す、すげえ・・・ワンピースというアニメ映画の挿入歌らしい。映像はADOの公式Youtubeから。この人の声の潰し方は、演歌風アニソンの流れを汲んでいると思う。「ハクション大魔王」とか「いなかっぺ大将」とか、ああいうものの。もちろん格段にハードで声帯にやばいくらいだが。日本のアニメソングは、かつて、ものすごくバラエティ豊富で、演歌から、ジャズ、シャンソン、クラシック、ロック、民謡、民族音楽・・・全てが備わっていて、子供たちにたくまざる音楽教育を施していた。この人の多彩な声色(こわいろ)を聞いていると、そういうアニメソングの歴史が、ひとりの歌手に凝縮して表現されているように思うのだ。歌のうまさは抜群で、「Unravel 」や「罪と罰」のカバーでのシャウトは空前絶後と言っていいのではないか。アニソン界に現れた若き女神、ADO!
◇海外のYoutuber が平伏すアニソンの女神
これも、映画「ワンピース Film Red」の挿入歌。7人のアーティストがそれぞれ曲を作って、その7曲をADOが歌っているのだという。アニメ自体にはあまり興味がないが、ADOにハマってしまった。
こういうのをマッシュアップというらしい。マッシュポテトのマッシュですな・・・多分。編集がめちゃくちゃうまいし、みんなで一緒に聞いている感じになるのがいい。個々の YouTuber の許可を取らねばならないだろうし 、結構大変な作業でしょうね。それに翻訳までつけているのだからなかなかの労作。
それにしてもADOは天才だ。騙されたと思って聞いてみたら、マジで凄かった。海外でウケるためには、歌詞が英語でないとダメだろうと思っていたが(例、ワンオク)、ここまで歌が凄いと、充分、外国人にも伝わるのだ。MV に英語の翻訳テロップをつけているのも大きいだろう。これは大事。
また、この人、大人の歌を歌わせてもすごいのである。Unravel と椎名林檎の「罪と罰」は是非聞いてみてもらいたい。特に後者は、稚拙な歌詞を彼女が歌うと説得力がでてくるから不思議。
以下が「罪と罰」ADOの公式Youtubeから。
2023年11月14日(火)
ノート 兵士がリポートしているのか、リポーターが徴兵されたのか。手慣れたリポートである。戦争宣伝もここまで来たか!・・・と思わせる。イスラエルが21人のハマス戦闘員を「無力化した」とある。ランティシ病院の地下壕から。ランティシとは、イスラエルのピンポイント爆撃で暗殺されたハマス指導者の名前だろう。アブドラ・アジズ・ランティシ。ハマスの拠点が病院にあるのは、慈善活動を支持獲得の核とするムスリム同胞団のスピンオフとしては当然のことで、イラク戦争の頃、ヨルダンの同胞団本部も、病院の中にあった。ヨルダンの同胞団は、当時、合法組織で、選挙にも候補をたてたり、ボイコットしたりしていたと思うが、今はどうなのだろう。
2023年11月15日(水)
ノート 「カンボジア料理はまずい」という先入観があったが、あの国の料理は「まずい」のでなく、当時「まずしかった」だけなのだ。考えてみると、自分は、クイティオなども、カンボジアで毎朝食べていたものが、タイのクイティオよりも好きなのである。これはプラホック(魚の塩辛)で味付けした魚スープ。イサーン料理にも同じようなものがありそうだ。
2023年11月19日(日)
◇Thailand backs away from Chinese police patrol plan amid furor
Raeio Free Asia より
ノート 中国政府がタイ国内の観光スポットに中国の警官を配置することを提案したとある。タイ政府は拒否したようだ。自国の観光客保護のためだろうが、唖然とする非常識さ、増上慢ぶりである。原発処理水の件でも思ったが、この国には国際常識というものが通用しないらしい。中国の夢というのは、世界や日本、周辺国にとって危険な夢なのだ。
2023年11月22日(水)
◇アニメ映画「東京喰種トーキョーグール」の主題歌、ADOよるカバーのコンサートライブバージョンが公式YouTubeで公開
と、やたらに長いタイトルになったが、よかった、よかった。ファンがアップした投稿映像がブロックされているので、「伝説のライブ」になるのかな、と危惧していたのでる。公式であげるからブロックしたのであって、賢明なやり方だと思う。やたらと取り締まれば良いわけではなく、熱心なファンによる自主的な広報活動は利用すべきなのだ。今回ブロックされた投稿ががなければ、この秀逸なライブバージョンが、ここまでの評判をとることはなかったろう。スタジオバージョンが出てまもないが、公開から半日で、既に、アクセスが60万人を超えている。
投稿についていたコメントに、「歌を聴いて久しぶりに涙が出た」とあったが、自分も同じだった。小さく囁いて歌う時の繊細さと、スクリームの感情の爆発のコントラストに圧倒されるのだ。オリジナルの歌詞も良い。「僕の中に誰かいるの」というのは、ちょっと怖いフレーズだ。オリジナルバンドのギターボーカルは、この歌をアニメの主題歌として書き下ろしたそうだから、ストーリーに関係があるだろうが、アニメーションや原作の漫画を知らなくても、十分に衝撃的なフレーズだと思う。
2023年11月23日(木)
ノート 元手のいらない商売、物乞い。この日、警察が捕まえた乞食のほとんどが、一万バーツ以上を所持していたという。もっとも彼らはフリーランスではない、背後にはギャングがいて身入りの大半を搾り取っている。
例えば、こういう物乞いスタッフ7、8人抱えていれば、収益は、ひと月で200万バーツを超える。警察への付け届けとか、現実には、物乞いするにもコネと元手が必要な社会なのである。結局、資本力と暴力への対応力を持つ者が勝つのだ。
一日、1万バーツ 以上儲けるには、物乞いする場所が重要だろう。一番良いのは、BTSの駅に上がる階段、エスカレーターの登口あたりではないか。自分がよく使う駅のそういう場所には、必ず誰か座っている。物乞いのノウハウを知ったものが手引きしているのだ。
インタビューを受けているのは、「バンコク、サイマーイ地区のお助け人」エーカポップ・ルアンプラスート。随分メディアへの露出が多い人だが、今年同地区から国政選挙に出て落選している。
2023年11月25日(土)
ノート いやあ、ADOは天才。この人は私の「歌詞を理解したい」という妄執を打ち砕いた。この妙な拘りがなければ、ずっと前に洋楽が好きになっていたことだろう。何しろ、英語字幕を読まなければ、日本語の歌詞がわからないんだから、英語の歌を聞いているようなものなのである。ラップ風と和風の語りが出てくるが、和風のがどこから来ているのか、教養がないからわからない。「オバケのQ太郎」OPの「だけどカッコいいつもりなんだってさあ」という最後のパートや、黒澤明の「乱」でピーターが、舞いながら謡う風刺ソングみたいなものを思い出した。してみると、能や狂言からきている調子、リズムということか。
◇ノート 昨日、11月24日は、フレディ・マーキュリーの命日、だからタイ語のネット誌にもこういう記事が出ていた。
タイ語記事「自分の前歯を憎んだ男、伝説のロック歌手フレディー・マーキュリー」
映画で描かれた「受け身の被害者的悲劇のヒーロー像」は、とんでもない嘘っぱちのようだが、フレディが、自分の突き出た前歯に深刻なコンプレックスを抱いていた事は本当らしい。登校拒否になりかけるほど、四本の出っ歯を気に病んでいたし、スターになってからも、インタビューの時など、前歯を手で隠す動作を無意識にする事があった。
前歯を抜くことを勧めるものも多かったが、一方で、この出っ歯は彼のプライドの源泉でもあったようだ。この突き出た前歯が、常人より広い口内のスペースを作り出し、自分の非常に広い音域を可能にしていると信じてもいたのだ。フレディ・マーキュリーの声域は、4オクターブ以上、ピアノ鍵盤の端から端までの声が出せたという。
自分は、フレディ・マーキュリーのファンではない。あの過度にドラマチックな歌い方、ゲイファッション、ゲイ的動きが趣味じゃないのである。でも、面白い人だなあ、とは思うし、彼を見ていると、「ああ、人間は好きなように生きていいのだな」と思わせた。彼を見て救われる人も多かったのではないか。亡くなったのは32年前のこの日。享年45。
合掌
2023年11月26日(日)
ノート タイのタイスキチェーン最大手のMKが全国の支店でタレの販売を始めた。タイスキというのは、タレだけが独特で、あとは単なる寄せ鍋なのである。ありがたい、とは思うが、大丈夫?・・・とも思ってしまう。
2023年11月26日(月)
ロイクラトーンの日、今年は11月27日だった。写真はパン生地で作ったクラトーン(灯籠)。最近、クラトーンによる川の汚染が問題になっているので、こういう生物分解性のある材質で作ることがトレンドになっている。
EMとは、保釈中の被告につけられる送信機付きの足輪のこと。Elictronic Monitoring の略である。この人の場合(ルークケート・チュンティチャー)、政治犯容疑(刑法112条、不敬罪)がかけられているため政治的迫害の印象がある。今年2月に、足輪の取り外しを裁判所に請願し認められた。6月の選挙に前進党から立候補して当選しているが、不敬罪で有罪となれば失職することになる。
2023年11月28日(火)
以下 Face Book への投稿
◇ウタカタララバイ〜アニメ映画「ワンピース Film Red」で天才ADOが歌う和風ラップ
いやあ、ADOは天才。
この人は私の「歌詞を理解したい」という妄執を打ち砕いた。この妙な拘りがなければ、ずっと前に洋楽が好きになっていたことだろう。何しろ、英語字幕を読まなければ、日本語の歌詞がわからないんだから、英語の歌を聞いているようなものなのである。しかし、言葉の意味はわからなくても、音を追う心よさは厳然とあり、言葉の歯切れの良さを楽しむことはできるのだ。若い頃から、そのようにして、洋楽を聞けばよかった。
ラップ風と和風の語り部分があるが、和風のがどこから来ているのか、教養がないからわからない。「オバケのQ太郎」OPの「だけどカッコいいつもりなんだってさあ」という最後のパートや、黒澤明の「乱」でピーターが、舞いながら謡う風刺ソングみたいなものを思い出した。してみると、能や狂言からきている調子、リズムということか。
ちなみに、冒頭の都はるみ的唸りに、海外のリアクション系YouTubeは一様に魅了されているが、これは、かつて自由だったアニメソングの伝統のなせるわざだろう。演歌風アニソンなどというものがかつてはあったのだ。ADOが「田舎っぺ大将」や「ハクション大魔王」、「オバケのQ太郎」のOPを聞いているとも思えないが、「何をどう歌っても、インパクトがありさえすればいいのだ」というアニメソングの伝統を引き継いでいると思う。
別に演歌好きではないので念のため。まず、リジェンド美空ひばりがダメ。「越冬つばめ」は割と好きで、「天城越え」「津軽海峡冬景色」などの名作レベルなら、かろうじで許容範囲・・・というくらいの演歌耐性である。もし演歌風アニソンを聞いていなかったら、演歌など全否定していたことだろう。
ではでは