不定期テレビ日記〜2023年03月
2023年3月02日(木)
ノート 幸福の科学の大川隆法が死んだらしい。若い頃、ある著名な放送作家が信者となったと聞き、「あんなに優秀な人が、あんなに幼稚な宗教もどきに引っかかるなんて」と怪訝に思ったが、身近にも騙されるものが出てきて、また驚かされた。サークルの後輩が、ミーティング中に、「動物実験をどう思うか?」などと書いたメモを回して、部員を議論に引き込もうとし始めたのである。教団に教えられたノウハウに従って、我々をオルグしようとしていたようだが、当時は、彼が、幸福の科学に洗脳されたとは思わず、あとで教祖の著作を送り付けてくるようになって、その頃の彼の奇妙な行動が腑に落ちた。そのサークルは、年に何号か、ルポルタージュの同人誌を出し、当時、学内に蔓延していた統一協会=原理研究会に反対する運動にも参加していたから、部員の中から、あれほど薄っぺらなエセ宗教に騙される者が出てくるとは思わなかった。当時、我々が気をつけていたのは、後にセクハラ問題で社会的評価が失墜する、ある左派の写真家で、この人は大学をとうに卒業している年齢なのに、何故か学内で中東問題の研究サークルを主催し、そこで学生を一本釣りして、タダ働きさせる事で悪評が高かった。「Hには気をつけろ」が合言葉だったが、大川隆法のような喜劇的人物に危害を与えられる人間が身近にいるとは思わなかったのである。
2023年03月7日(火)
バンコク郊外、ノンタブブリー県のマハーチェッター云々橋(名前が長すぎるので省略)橋柱に描かれたストリートアート。県と観光局が観光名所、インスタスポットとして推奨している。興醒め、という見方もあるが、バンクシーにしても、「突如現る」というのは演出に過ぎないのではないか。少なくとも、汚らしく、発想も陳腐なスプレー落書きよりはよい。
2023年03月8日(水)
ノート タイ東部ラヨーン県の早出しドリアン。この季節にバンコクの市場に出るドリアンは、だいたいラヨーン産である。このタイ観光局の宣伝記事は、「おばあさんのドリアン園」という、同県の観光農園を紹介している。今の時節は、大振りで肉質の締まったモントーン種がオススメだとのこと。ドリアンの旬は、従来、雨季の始まる5月くらいだったが、今では、どの季節でも探せば食べられるようになった。中国向けの輸出が盛んになって、一層、その傾向に拍車がかったようだ。でもまあ、多くのタイ人、特に、バンコク住民にとって、ドリアンは年中食べるものではない。ちょっと気の早い人が、今の時節のラヨーン産を食べる、と言った程度ではないか。
2023年03月10日(金)
ノート 反クーデター勢力を支持する情報をネットでシェアしたという理由で、逮捕された二人の女性。要するに、今、自分がこうしている、まさにこの行為が、ミャンマーでは、逮捕の理由になるわけだ。もし自分がミャンマーに旅行し、何かの事情で、自分のSNSが同定されば、それが逮捕の理由にもなりかねない。これは、自分が、今、住んでいる国でも、テーマによっては、同じことが起こる。日本という国は、そのような意味では、アジアでは、一種、特殊な国だ。もっとも、ミャンマーほどひどい国も珍しいのだが。ちなみに、非常事態法が半年延長されたために、今年前半にも実施されるという観測があった「選挙」も延期となった。
ノート Chat GPTでチャットしてみた。優秀だが、結構、間違えることもあるよう。試しに、今年あるタイの総選挙についてタイ語で聞いたところ、前回選挙の開催年を間違えていてたので指摘する。すると、「すいません」と謝ってから、正しい日付に訂正した。「パットタイはタイの伝統料理か?」という問いには、「タイ料理として世界的に有名だが、食材も調理法も世界中で使われるものなので、伝統料理とまでは言えない」と秀逸な答えだった。これがAIが自分で考えた答えとは!、大変な時代になったものだ。ただ、「タイの人気女優は?」とか「バンコクでお勧めの安くて美味しいレストランは?」という質問には、突拍子もなく間違った答えを送ってきた。騙す意図があるとは思えないので、情報収集の過程で、AIが大きな勘違いをしてしまうのだろうが、間違った答えを、非常にもっともらしい体裁で答えてくるのが困る。自分はタイ在住だから間違いに気づくが、知らないテーマなら信じ込んでしまうだろう。また、事情を知らない人が、頭からAIの情報の方を信じ込んでしまい、生身の人間の情報を信じないという事態が、これから頻繁に起こってくるのではないか。人間の言葉の中に普通はある、迷い、躊躇、自信の無さ、念のための保険、みたいな要素がAIの回答にはないので、「こちらの方が信用できる」と思ってしまうのだ。そのうちAIを利用した詐欺、洗脳みたいな事件が起きてくるのでは。もう起きているかも。
2023年03月13日(月)
ABC の公式YouTubeから、ジョナサン・キーのオスカー受賞スピーチ。この人、ベトナムから難民としてアメリカに渡ってきた人のよう。泣けた。昨年はバカな男がバカな事をしでかして後味が悪い受賞式となったが、今回は、彼のおかげでいいお祭りになったのではないか。アメリカ人が忘れていたことを、東南アジアから難民として渡ってきた男が思い出させた、そんな想いさえ抱かせる、良いスピーチだった。他は見ていないが、おそらく今回の授賞式の白眉。
2023年03月15日(水)
ノート タイのセブンイレブンは、33年前に最初の店舗が開店し、現在では全国に12743店が展開する。「セブン」はコンビニエンスストアの別称、というか、普通の人には「セブン」でしか通じないだろう。そのセブンイレブンの創業者で、先日故人となった伊藤雅俊氏に関するタイネットマガジンの特集記事が以下。
「ペドファイル、暴君、虐待者、チャップリンの私生活の真実を暴露した映画」と、こういう謳い文句のドキュメンタリーが公開されたらしい。
前に書いたチャップリンの記録映画の予告。面白そう。かなり堅実に作っている印象。子供達のインタビューがメイン内容のようだが、そこにスキャンダラスな暴露はなく、むしろチャップリンの天才芸術家としての孤独に焦点を当てているという印象受けた。
ノート アメリカ人の口語英語の発音をここまで明快に説明したレクチャーを聞いたことがなかった。ちゃんとした語学学校へ行けばどこでもやっていることなのかもしれないが。何もアメリカ人ネイティブと同じ発音の英語を話す必要はないが、映画を見たり音楽を聴く時の理解度が上がるかもしれない
Stopped.T なんていう言葉は初めて聞いた。これはタイ語の末子音の発音と似ているが、タイ語の場合、末子音が来るとイントネーションが上声になることがほとんどなので、タイ語独特の英語訛りになってしまう。今更ながら、こういうものを見始めたのは、幼稚園で英語を習い始めた孫に、タイ語訛りの無い発音を学ばせるためでもある。ブロークンなアメリカ英語を話せるようになる必要もないが、聞いて理解できると便利だし、それにはタイ語からくる発音の癖が邪魔なのである。
2023年03月19日(日)
カオソット記事
ノート 全国世論調査で、期待する次期首相候補は、タクシン氏の次女ペントンターン氏がトップ。現首相のプラユット大将は3位に沈む。2位には、解党判決を受けたタイ新未来党の後継政党が続き、野党勢力の優勢が明確になった。サンプル数2000くらいなので、信頼性はそれほど高くないが、プラユット大将は、ペントンターン氏にダブルスコアをつけられている。また、世論調査を実施したNIDAは、王党派寄りとみなされている研究機関である。この国の世論調査は国軍が内密に実施するものが一番正確なので、そのうちマスコミに調査結果が漏れてきてより趨勢がハッキリするだろう。選挙日は5月7日でほぼ決まりのようだ。
2022年03月20日(月)
ノート 元首相で現下院議長のチュアン・リークパイのインタビュー。「かって反体制派の学生運動家だった人たちが、政治を商売にする資本家の手先となって国を食い物にした」と批判しているのが印象的。これはもちろんタクシンの事を言っているのだ。タクシンが汚職政治家なのは事実だろうが、左翼知識人のアイデアを、タクシンが取り入れたから、30バーツの健康保険制度のような政策が実現したことも事実である。(左からのタクシン批判の何割かは、自分たちが教条として唱えていた政策を、易々と実現してしまったタクシンへの嫉妬心から来ていると思う)その後、タクシンはクーデターで追放されたが、この社会保険制度は踏襲されて現在に至っている。タクシンは追放できても、彼の残した政策まで否定することはできなかったと言うことだ。政治の進歩とは、そういうものでがないか。
2023年3月25日(土)
いいバッターでも、10回に7回は凡打するわけだから、一度の対決で勝負を云々するのはトラウトに気の毒だ。それにしても、トラウトが、あのど真ん中の速球を二度も空振りしたのには驚いた。「球は速いがバットには当てられる」が通説だったのだから、大谷はさらに進化しているのかもしれない。しかし、正直言うと、余りにもハマりすぎたエンディングが、現実感に乏しく、ハラハラはしたが、思ったより感動しなかった。あそこでトラウトに同点ホームランが出ていたら、試合の結果がどうなるにしろ、もっと感動しただろう。そこまで要求するのは、感動乞食のないものねだりだが、これが正直な感想。
大谷を見て吉野家のカレー食う 万斛 やりすぎと野球の神にダメを出し では太
2023年3月26日(日)
ノート 朝鮮日報の記事。あるだろうと思っていたが、実際に、事実として突きつけられると、やはり驚かされる。これが韓国世論にどれだけの影響を与えたのかはわからないが、北朝鮮の工作員がそれなりに「優秀」なのは、日本人の拉致や、金正男の暗殺事件でも明らかだろう。日本人拉致にしても、小泉訪朝で実際に被害者が帰って来るまでは、「右翼の妄想」と嘲る人がいたのだ。自分も若い頃はその一人だった。
2023年3月29日(水)
【見出し】ジブリ生みの親・鈴木敏夫氏がタイ人女性にベタ惚れで内部崩壊! タイで公認レストラン経営、未経験で写真家に起用、社長を更迭、公私混同すぎる驚きの振る舞い
しかし、このくらいの年になると、「どう生きてもいいじゃないか」と思うものではないか。近々、宮崎駿の新作「君たちはどう生きるか」が公開されるとの事だからタイミングは悪いが・・・この題名を見て懐かしいと思う人は還暦以上。ひよっとしたら「コペル君、人間は人に迷惑をかけなければ、どう生きても良いのだよ」というスタジオジブリからのメッセージかも。(笑) 少しは迷惑かけているようだが、功労者だから許容範囲だという考え方もある。
カンナダー女史、タイ語で少し検索してみたが、日本で行われたジブリ展でカメラを務めたこと以外の情報が出てこない。ペンネームらしいので、本名で検索すれば、情報があるのかもしれないが。写真家でない人を写真担当にしたという記述が信じ難い。実際は、無名ではあるが写真家としての活動はしているのではないか?カメラの性能が進歩したので、いいカメラと、ちょっとしたセンスがあれば、カメラマンになるハードルはそれほど高くなくなった。例えば、プラス、日本語ができたりすれば、タイで展示会をやる時に重宝だろうし、下手にフィルムにこだわったりするカメラマンより使えるだろう。雰囲気、話している内容からすれば、水商売の女性ではなさそうだ。
昨年2月に行われたユニクロ後援の「ジブリ展」宣伝ビデオによれば、二人は同じアパートの同じ階に住んでいて、エレベーターで一緒になったりするうちに話しをするようになり、写真家である事を知って、鈴木氏がジブリ館の撮影を依頼したとある。少なくともタイのマスコミ向けにはそう説明しているようだ。このバンコク「ジブリ展」では、ジブリ関連の展示の他に、「パクトンチャイ」と銘打って彼女が撮影した写真を展示している。パクトンチャイとはバンコクから三時間ほど東北に走ったところにあるコラート県の郡で、写真は普通の田舎の風景写真である。悪くはないが、田舎の風景というのは、誰がとっても、それなりに良い写真になるものだろう。
別記事のインタビューで、鈴木敏夫が「彼女の家族の繋がりの深さに感動した」という事をタイ人記者に述べているから、家族にも会っているのだ。彼女をモデルにして、人生最初の小説を書いたという事だから、この辺りのタイでの経験が小説の核になっているのかもしれない。「公私混同」がなければ、普通に祝福すべきことではないか。
以下、ユニクロ後援のバンコクジブリ展の宣伝 YouTube 投稿