不定期テレビ日記〜2022年11月
2022年11月3日(木)
ノート タイの社会派映画「田舎の先生」に主演したピヤ・トラクーンラートが昨日(11月2日) 亡くなった。享年68。随分、年上の人のように思っていたがそうでもなかった。ガンで長く闘病されていたようだ。
この映画の公開は44年前、理想に燃えて辺境の小学校に赴任した若い教師が、地元の有力者と対立し、暗殺されるまでを描いている。確か、NHK教育テレビのアジア映画特集で見たと思うが、自転車を押しながら歩いて来る青年教師が銃声と共に倒れて、生徒たちが驚いて駆け寄るシーンが鮮明に記憶に残っている。当時、「沢村忠のキックボクシングの相手が来る国」というぐらいの認識しかなかったタイに、興味を持つきっかけになった映画だった。
ピヤ・トラクーンラート氏はタイ中部のスパンブリ県生まれ。高校卒業後、バンコクで床屋や市場の荷受け人夫、力車の運転手などを転々とし、エキストラからこの映画の主役に抜擢された。主役もヒロインも無名だったため、関係者は映画の興行成績に悲観的だったが、元首相にして大河小説「王朝四代記」の作者でもあった大文化人、ククリット・プラモートに激賞された事で風向きが変わった。クチコミで評判が広まって、この種の映画としては異例の大ヒットとなり、当時のソ連邦で開かれた映画祭で作品賞と監督賞を受賞する。
ピヤ氏は一躍時代の寵児となり、同傾向の映画やドラマに何本か主演したようだが、その後はパッとせず、タイ演歌の作詞をしたり、ムエタイ好きが高じてムエタイの実況者となったりした。タイでムエタイ好きという事はギャンブル好きという事である。映画の大成功の割には、その後の人生がしりすぼみなのは、やはり大学教育を受けていない事と出身階層の低さが原因ではないか。しかし、そんな事は我関せずで、タイ人らしく、好きなように生きた人生ではなかったかとも思う。
心からご冥福をお祈りしたい。
水泳&糖尿日誌 2022/11/03
4種目泳いでみる。平泳ぎが以前よりは進むようになった。が、重心が前にかかるようになった分だけ、足が水面を打つ事も多くなったようだ。背泳ぎは、ストロークとキックの関係をもう一度整理する必要がありそう。昨日、気づいたが、キックは、足を伸ばして蹴るよりも、腿から引き抜く感じで、自転車を漕ぐようにした方が、安定して浮けるし、また、よく進む。これは、以前、YouTubeで習っていたのだが、いつの間にか忘れていた。バタフライは、やっと形になりつつある感じ。多少なりとも、前に飛び出す感じが出てきたように思う。もう少しテンポ良く、トーントン、トーントン、と泳ぐ事。クロールは進歩が止まっている。糖尿。食生活の管理が緩くなってきた所に、コロナ罹患、腰痛と続いて(10月24日に突然腰痛が出た)、夕食後の運動が出来なくなっていた。多分、そのために、血糖値が120〜130のボーダ付近にまで上がっている。昨日、100台にまで下がったが、今朝また130に上がっていた。これは昨晩、白米を食べた上にポテトサラダを食べたからだろう。一昨日は、玄米のお粥だった。腰も大分よくなったし、そろそろ夕食後の運動を再開する事にする。(11月5日の早朝に記す)
最近はこのYouTubeインストラクターに師事している。下は、バタフライの腕のリカバリーの仕方。これは出来ている気がするが、さらに意識化しよう。うーん、今見直したが、肘を伸ばしたまま水の上に引っ張りあげてるかも。
2022年11月4日(金)
◇オーエル「動物農場」のアニメ版フルムービー
ジョージ・オーエル「動物農場」のアニメ版。なかなか良くできている。エンドマークの後どうなるかが知りたいが、おそらく理想主義的なロバは、革命を防衛するためにロベス・ピエールのような恐怖政治を敷くのだろうな。
オーエルの原作は、受験勉強の対訳リーダーで読んだとよう気がする、今、アニメで見返すと、子犬の頃に親から離して思想教育を施した犬を忠実無比な親衛隊に仕立て上げるなど、黒豚の独裁者ナポレオンがやった事は、まさに、カンボジアでポルポト派が後年やった事であり、その先見性は薄気味悪くなるほどだ。
アニメは原作をかなり脚色していて、一応、勧善懲悪の結末にしてはいるが、独裁者が倒れても希望が見えてくるわけでなし、見せ物小屋映画「フリークス」のラストを思い出した。虐げられた者が復讐を果たすカタルシスはあるが、根本的な解決はなく、今後も同じような復讐劇が繰り返されるだけだろうと思わせるのだ。
この Artflex というYouTube チャンネルは、著作権をクリアーしたうえで、アート系の旧作をフルムービーで公開している。英語の自動書き起こしは出るが、日本語の翻訳が出ないのは残念。が、最近の自動翻訳の進歩は目覚ましいので、4、5年以内に日本語字幕つきで見れるようなるのではないか。そうなれば、かなり使えるサイトになるかもしれない。
以下がサイトアドレス
2022年11月7日(月)
ノート ジョージ・オーエル「1984」の朗読。1600「難民の記録映画」の男の子と女の人の描写!私のカミさんでもあの通りにするだろう。自分などはパンと見せ物の倒錯の衆愚の一人だが、カミさんはそうではない。一見衆愚だが(笑)
2022年11月12日【土)
ノート ウクライナで義勇兵として戦っていた20代の日本人男性が亡くなったそうだ。ロシアのウクライナ侵攻が原因で日本人が死んだのは初めてとのこと。戦闘中に亡くなったのなら、戦後初めて「戦死」した日本人かとも思ったが、朝鮮戦争の米韓支援でかなりの方が亡くなっていると思うし、インドネシアの対蘭独立戦争を義勇兵として戦い、亡くなった人などもいるのではないか。ミャンマーで逮捕されたジャーナリストは左派リベラルで、この亡くなった日本の若者は、保守的な考えの人だったかもしれないが、やっている事の意味は同じではないかと思う。合掌
2022年11月14日(月)
ノート アメリカ中間選挙、アリゾナ知事選。東部時間13日夕方時点で、開票率89パーセント、民主党の候補が、女トランプ、カリー・レイクを1.6パーセント、3万6千票ほどリードしている。最近の選挙速報は、各地区での開票状況まで報道するのでざっと計算してみると、レイクが有利な地区でこれから開く票は1万7、8000票、対して民主党候補が4パーセントほどリードしている大票田 Maricopa では開票率が87パーセントで、まだ20万票ほどが未開票である。他にも民主党候補がダブルスコアで引き離している選挙区が2つあり1万票ほど残っているから、これでレイクが逆転するのは難しいだろう。そろそろ民主党候補の当確がでるのではないか。(ひょっとしたら、もっと細かい選挙区事情でレイクに有利な面があって、慎重になっているのかも知れないが)
共産主義革命で全てが良くなるという幻想が潰え、かつての共産主義国家が、人権、国際法無視の最悪の権威主義国家となって「陣営」を形成してしまったのだから、多少は不満でもアメリカの民主主義にしっかりしてもらうしかない。トランプみたいなのに勝ってもらったら困るのだ。「仁義なき戦い」の広野のセリフではないが、「知らん仏より、知っとる鬼の方がマシ」である事がはっきりしてしまったのである。
追記 票差は縮まったが逆転は無理、というのが大方の見方となった。以下、ニューズウィークから。
2022年11月15日(火)
ウクライナ軍が黒海を迂回してキンバーン岬に上陸し、ドニプル側東岸へ渡った可能性があるようだ。ヘルソン州東部地域で、既に、幾つかの爆発、戦闘が報告されている。この映像はウクライナ政府のアカウントに投稿されたものらしいが、まるで映画の1シーンを見るようだ。一方で、こんな重要な軍事情報を、暗示的にであるとしても(映像が撮られた場所も日時も明らかにされていない)、ウクライナ軍が明らかにするだろうか、という疑問はある。それから、映画の1シーンのようではあるが、ここに映っている兵士の何割かは死ぬのだ。その事を思い出すと愕然となる。
2022年11月16日(水)
ノート ロシアのミサイルがポーランドに着弾し、二人の死者が出た。平時の国ならば、二人死亡でも大事なのだ。そう考えるのはロシアの思う壺だろうが、第三次世界大戦という言葉が頭をよぎり、冷っとする。
人類が滅亡をする夢を見た 覚めれば窓に赤色巨星 万斛
と、こういう二段オチの悪夢にならないよう、世の中を牛耳っている人たちには、冷静に対処してもらいたい。誤爆であると良いのだが。
2022年11月17日(木)
ノート 久保田さん、釈放されるようだ。とりあえず良かった。政治犯6000人に大量恩赦を与えた、その一人だから、日本政府の働きかけによるわけではない。コケにされておるな、日本政府は。
2022年11月21日(月)
◇マイケル・J・フォックスのオスカー受賞
マイケル・J ・ファックスが、「パーキンソン病への人々の理解を広めた事」を理由として、アカデミー委員会から名誉オスカーを与えられた。「貴方達の拍手で僕は震えが止まらないよ」と、しょっぱなから病気を洒落れのめしてみせるマイケルに感動。人間の本当の偉さというのは、こういう時にわかるのだ、と思った。
Jean Hersholt 人道賞という名の賞だが、Jean Hersholt という人は、戦前から戦後、お医者を演じて人気をとり、アカデミー委員会の長として、映画産業に働く労働者への医療支援システムの構築に尽力した人だという。日本にもアカデミー賞なるものはあるが、こういう活動や賞はあるのだろうか。偽善かもしれないが、偽善とか慈善とかは、ないよりはあった方がいいのだ。
しかし、マイケルももう61になるのだなあ。なんかため息が出る。
※映像の引用は、オスカーの公式YouTubeから。
2022年11月28日【月)
ノート サッカー、残念だったが、日本がドイツにやった事を、コスタリカにやり返された感じである。サッカーというのは、こういうもんだろう。ネットで日本代表に対する悪口雑言が飛び交っているようだが、所詮、応援しているだけなのだから「分を弁えろ」と言いたい(笑) 連中はパンと見せ物を求める衆愚。サポーターという言葉が彼らを増長させたのではないか。ファンで十分だろう。
ここで一首、二首、
感動を強請る乞食か衆愚オレ では太 勝ったのは(負けたのも)お前ではないぞ!サポーター 万斛
2022年11月30日(水)
ノート 宮台真司が大学キャンパスで襲撃されたことを今知った。切りつけられて重症だという。気の毒なことだが、命に別状はないらしい。トラビィス的人物の犯行かとも思うが、トラビィス的な異常者が自己実現のために狙う相手としては、宮台真司は小物すぎるような気もする。講義予定を把握していたというから、案外、個人的な恨みからの犯行かもしれない。もっとも、講義の予定くらい、調べようと思えばいかようにも調べられるが。しかし、これが、米国のような銃社会なら、この人は助からなかっただろう。刃物だから、抵抗して生き延びることができたのだ。