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不定期テレビ日記~2021年11月

akiyamabkk


2021年11月1日(月)

日本の総選挙、票を開けてみれば、ほぼ与党の完勝という結果に終わった。自民党は、少し議席を減らしはしたが、単独過半数が危ぶまれていたのを、絶対安定多数(261)まで単独で確保してしまった。立憲民主党は13議席減らした。立憲民主と自民党、共産党が減らした議席数を維新が食ったかたちになっている。


共産党と組んだから「勝負になった」選挙区も多かったのだろうが、立憲民主の比例票があれだけ減ったのは、共産党と組んだためではないか。共産党も議席を減らしているが、できるだけ多くの候補者を立てて比例票を積み上げるのが近年の共産党の戦術なのだから、これは当然の帰結だろう。相乗効果どころか、身を切って共闘した相手の議席も減ってしまったわけで、これでは「何のための共闘だったのか」という話になるのが普通だろう。


驚いたのは、大物議員がゴロゴロ落ちたこと。石原長男に至っては比例で復帰もできなかった。甘利幹事長は、比例で救われたが、選挙の責任者が小選挙区で負けては示しがつかないので、早々と辞意を表明した。


議席予測がほぼ的中したのは朝日新聞で、保守系の新聞は自民に悲観的な方向に外している。NHKもそうだ。出口調査をやった後の当日予測もそうなのだから、お気に入りの陣営の「引き締めのために」そうしたというわけでもなかろう。朝日新聞は、終盤情勢の予測から、出口調査に基づく当日予測まで一貫して、自民の「単独過半数の勢い」、立民の「伸び悩み」を予測していた。朝日が終盤情勢を出した時、「アンダードック効果で自民の足を引っ張るつもりだろう」と言った評論家もいたが、穿ち過ぎの陰謀論だったわけだ。しかし、その朝日新聞も、ここまで自民党が勝ち(減らしたが普通に言って「勝ち」である)、立憲民主が減らすとは思っていなかったろう。



2021年11月04日(木)

タイポスト紙などの報道によると、最大野党タイ貢献党が刑法112条改正から距離を置き始めたという。数日前に、同党の有力議員から改正に前向きな発言があり驚いたが、その後、タクシン元首相が「法律自体は悪くない、権力者による乱用が問題なのだ」という趣旨の見解を表明したため、軌道修正したようだ。これにより改正を求めてきた「進歩党」(新未来党解党後の受け皿政党)は議会グループで孤立する形になった。また、前の新未来党書記長で、現在、市民運動進歩派ウイングの指導的ポジションにあるビヤブット氏(解党時に被選挙権を剥奪されている)が、「改正でなく廃止を求める」と「進歩党」を批判しているから、「進歩派」勢力内部での亀裂も深まっているようだ。いずれにしろ、最大野党が改正に消極的なのだから、改正などできるはずはない。また、タクシン元首相のこの発言を聞いて、「まだ、タイ政界に復帰する気があるのかな」と感じた人は多かったのではないか。



2021年11月08日(月)

タイでは、今日やっと、コロナによる死者の数が50人を割った。感染者7592人、死者39人。日本の例だと2回目摂取が6割を超える頃から感染者の減少が本格化するから、これからの早期終息を期待したい。ワクチン以外の社会的防護手段(マスク、距離、手洗いの励行等々)では、米国や欧州よりも徹底しているのだから、良い意味で日本の轍を踏んでもらいたい。


タイで観光客の隔離無し受け入れを始めて一週間たった。外国人観光客の陽性者は15人。まずは無視できる数字だろう。東京オリンピックの海外選手団がそうだったように、タイを訪れる観光客は、こちらで感染を広めることよりも、入国後に感染しない事に気をつけた方が良い。また、感染すれば、タイ国内で感染を広めることになるわけで、この点、欧米人はタイ人より能天気だったり、個人主義的だったりする人が多いかもしれない。懸念材料である。東京オリンピックのように、一箇所に隔離しておくわけにもいかないのだから。



2021年11月22日(月)

本日で、タイの一回目ワクチン接種率が7割を超えた(70.6%)。二回目もほぼ60%で、日本の前例を見るならば、そろそろ感染が本格的に終息していく。結局のところ、にわか知識を振り回す識者やジャーナリストの言葉などに惑わされず、「ワクチンとマスク」、これをしゃにむに実践していくしかないのではないか?今までの実例を見ると、このうちどれかが不足した国は失敗している。アメリカは両方かけているから、もっとも優秀なワクチンを開発した国であるにも関わらず、今年の死者数が去年のそれを超えた。日本を含め、デルタ株の影響でどこの国でも増えているのだが、アメリカは昨年の数字も酷かったのである。


タイや韓国は、人流の抑制の面では、ある種人権無視の政策(日本だとそう見なされるだろう)をとれる政治的優位性?もあって、日本よりもコロナ対策が徹底しているが、ワクチン調達で後れをとってしまった。今次の流行を日本がいち早く終息させ、タイや韓国で感染者数、重症者数が下げ渋っているのは、ワクチン接種の質(韓国)、スピート(タイ、タイは質もだが)に理由を求めるしかないのではないか?こういう素朴なセオリーに対しては、さまざま難癖はつけることはできるだろうが、我々一般庶民は、「とりあえずやれることをやる」しかないし、「とりあえずやれることをやる」政府を選ぶしかないのである。それがこの前の総選挙で日本国民が出した結論だろう。

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