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一行トピックスでフェイクニュースらしきものを投稿したことについての釈明など

akiyamabkk

目についたタイのニュースを極くランダムに、自分の興味だけで、一週間ごとくらいにピックアップしてページの一番上に載せて、一行トピックスと呼んでいる。


そこには、本当の大ニュースはほとんど出てこない。例えば、この間タイでは、タクシン元首相の(警察病院からの)仮釈放という重要ニュースがあったが、そういうものは無視している。一般的な意味での大ニュースで選んだのは、オンラインギャンブルに絡んでの警察司令官、副司令官(タイ警察のトップとナンバー2)のダブル更迭くらいだろう。これは昨年来のニュースであり、タイ警察副司令官でスポークスマンだった警察大将がマネロン関与の疑いで家宅捜査されながら、現職を続けるという異常事態が続いていた。大ニュースは取り上げないという方針だったが、「タイ的なあまりにもタイ的な」ニュースとして思わず取り上げてしまった。

 

それでは、どういうニュースを選んでいるかというと、例えば、「日本のAV女優の借金苦をカオソットという一般紙がエンタメニュースで取り上げた」などという話である。カオソットは、マティチョンというタイリベラルの牙城のような新聞の、非インテリバージョンという位置付けの日刊紙だったが、かなり前に、インターネットに特化し、編集方針も砕けたものに変えている。それが「ここまで来たか!」という驚きがあったのである。いわば、朝日新聞の姉妹紙で、家族みんなで読めるそれなりにお固い新聞だと思っていたら、いつのまにか、日刊ゲンダイのようなタブロイド紙に変わっていて、風俗記事などもバンバン載せている、という趣があったのである。この時に限らず、カオソットは日本のAVの話題を定期的に提供していて、その甲斐あってか、ネットメディアでは最高のアクセス数を誇っている。

 

One Championship のチャトリCEOの場合は、ひょっとしたらフェイクニュースに騙されたかもしれない。フェイスブックに自動的にアップされたニュースで見たのだが、その記事は、バンコクポストに飛んで、同紙の女性リポーターがチャトリ氏にインタビューする動画も掲載されていた。その中で、チャトリCEOは、「本当は言いたくないのだが」と自分の携帯を見せながら、ある仮想通貨の価格がどんどん上昇していることを示し、「このことを知れば、タイ人は働かなくなるだろう」などと述べているのである。もっとも、動画を細かく見たわけではなく、それらしく編集して、文章で補足して発言を捏造しているという可能性もある。このインタビューは、即刻、タイの中央銀行からクレームがつきお蔵入りになったとされ、その映像をバンコクポストのマネー欄が探し出してきて再掲載した、という設定になっていた。もしフェイクなら、相当に良くできたフェイクニュースだ。

 

その後、フェイスブックに、「チャトリCEOがタイの中央銀行に刑事告訴された」という記事が上がってきて、同様の内容の記事が、タイの某有名女優や、今や世界的スターとなったブラックピンクのリサなどについても拡散されるに至って、流石にこれはおかしいと思うようになった。内容もおかしいが後追い記事が全くないのが奇妙なのである。タイでは、日本の菊タブーに相当する報道タブーはあり、それを裏付ける法律とともに、強烈な威力を発揮しているが、それ以外の言論、報道の自由はある。政敵への攻撃などは、日本より口汚く過激であるくらいなのだ。(名誉毀損で刑事告訴され実刑を喰らうということが普通に起こる国でもあるが・・・)このような超有名人が政府機関に訴えられてニュースにならないはずはないのである。

 

どの記事も、当該ファンドの仮想通貨の価格が急上昇していることを強調しているところを見ると、ファンドを宣伝するステルスフェイクニュースかも知れないと思うようになった。ということで、今回、当該部分を「一行トピックス」で赤字にして、フェイクの可能性を示唆した次第である。しかしまあ、恐ろしい時代になったものだ。安易にニュースの引用もできない。しかも、有名人が仮想通貨の宣伝に利用されること自体はありうる話であって「どこまでがフェイクか」という問題も出てくる。マジでまことに厄介。


以下、「一行トピックス」2024年1月〜3月分。


「仮想通貨を誇大宣傳した有名人がタイ中央銀行に訴追された」というフェイクニュースがネットで拡散、BPのリサも餌食に。ワンチャンピオンシップのチャトリCEOのケースもフェイクか?アジア日誌編集者も騙された?(2024/03/28)


セター首相、警察庁長官、副長官の更迭を命じる。違法オンラインギャンブルへの関与が疑われるスラチェート副長官には裁判所から2回目の出頭命令。副長官は外国での休暇を示唆し応じない構え。(2024/03/21)


徴兵された一般兵士が、上官の妻の下着まで洗わされていることを、ブラジャー、パンティーの洗濯物動画付きで YouTube に勇気ある告発。常態化している軍幹部の一般兵士の私物化に一石を投じる。(2024/03/12)


One Championship のチャトリCEOがバンコクポストのライブ番組内で、詐欺の噂もある Quantam FBC を「確実に何もせずに儲かる投資先」として紹介、タイ国立銀行が介入しライブ映像は即刻お蔵入りに。(2024/03/03)フェイクニュースかも?


タイ政府、万仏節(仏教の祭日)に乗じてのオンラインお布施詐欺へ警戒を呼びかける。タイ警察のフェイクニュース摘発サイトも、お守りや占いサイトでの口座乗っ取りや個人情報の抜き取りに注意喚起。(2024/02/25)


タイ気象庁が2月21日から夏季入りを宣言。今年の夏は昨年より暑く5月中旬まで続き、平均気温は平年より1〜2度高めで、雨は少なめ、最高気温は42〜44.5度を2月下旬から3月始めに北部で記録するだろうと予測。(2024/02/22)


カオソット紙、日本のAV女優の借金苦を記事に掲載。(「ショック、あの深田えみりが8千万円の借金地獄!」)同紙はオンラインに特化して大衆路線を徹底、アクセス数トップで日本のAV普及にも大貢献(2024/02/16)

タイの文部大臣、北朝鮮大使に同国の学生の規律正しさは「模範的」と発言。前進党のバラミー議員が「北の規律は洗脳の産物」と国際常識に基づいて批判、同大臣の強権政治への親近感へ疑義を呈す。(2024/02/08)


ペチャラワート・ウォンサワン天然資源環境大臣、フアヒン市で住民に大迷惑のカニクイザル対策の強化を命じる。同種の猿は5年前に保護動物に指定され増加、頭数抑制には避妊手術の導入などで対応する。(2024/01/31)


前進党の前身である新希望党の創設者、タナトーン・チュンルンルアンキットが、軍関連事業を精査する特別委員会の前進党委員に就任。ピター判決を契機に、政界へ本格復帰の足固めを開始か?(2024/01/26)


ピター前進党前代表のメディア株問題で憲法裁判所が判決!立候補時に当該メディアに報道機関としての活動実績はなく、違反に当たらずとして、国会議員への復権を命じる。ピター氏は明日にも登院か!(2024/01/24)


タイ政府、アンダマン海とタイ湾を結ぶ陸上貨物輸送ルート構築(ランドブリッジ構想)に本腰。プロジェクト地のラノン県で移動閣議を開催し、セター首相が反対派の声に耳を傾けるパフォーマンスも。(2024/01/23)


タイ外務省、イスラエル大使館がトゥクトゥクに乗って人質救出を訴えるキャンペーンに「不同意」を伝える。外務省のストックホルム症候群的反応に、記事のコメントでタイ人からの批判が相次ぐ。(2024/01/16)


チャイタワット前進党代表、与党のパフォーマンスに落第点、「今年度予算は政策目標を反映していない」と批判。警察病院で服役中のタクシン元首相の扱いについても与党の「焦りすぎ」に苦言。(2024/01/05)

 

<了>

 

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