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<フォトアルバム>2024年8月〜イサーンのお葬式で大活躍の「盆踊りトラック」

akiyamabkk


今年(2024年)の4月、タイ正月(水掛祭り=ソンクラーン)の時期に撮った。ゴープロで撮影した素材からスクリーンショットを抜き出した。


村で一番大きな雑貨屋が所有する「多目的空き地」で催されたコンサート。ソンクラーンの最終日だったので、てっきり、「さよなら水かけ祭り」コンサートだと思っていたら、どうやら、お葬式の精進落としの行事だったらしい。葬式を無事終えて、手伝ってくれた親戚連中、遠方から来てくれたお客さんを労うために、楽しみを提供したわけだ。なぜそれがわかるかと言うと、近くに、亡くなった人がいることを示す旗が翻っていたからである。


死者を追悼する幟

結婚式や水かけ祭りはもちろん、各種仏教行事、葬式や法事まで、ことあるごとに、イサンの人々が歌い踊り、楽しみを求めることは、他のところでも書いた。とりわけ、イサン人にとって、お葬式は、一週間前後かけて自宅で行う家族の一大事業で、それが終わったあと、手伝いの人や参列者の労を労うことは、喪主の義務とみなされている。お金がかかるので、年寄りのいる家族の多くは、葬式破産しないために、自治体の運営する葬式保険に入っている。


サンニャラック・ドンシー先生

だから、こういうサービスが必要になるわけだが、この「コンサートトラック」(「盆踊りトラック」と訳すべきか)、大体、一日2万バーツ〜3万バーツ(8万円〜12万円)で、歌手を付けてチャーターできるそうだ。歌うのは、プロを目指す歌い手の卵か、地元のカフェ(舞台でのエンタメがあるキャバレー)などで歌っている場末のセミプロである。我々の村には、タイ演歌界の大御所、サンニャラック・ドンシー先生がいるので、歌手の卵はすなわち先生の弟子なのだから、ハイレベルであることは保証されている。


以下、コンサートの動画・・・未編集。



せっかくなので、最後に、先生が作曲・作詞し、弟子の「ロックサレン」が歌って一世を風靡した「モーターサイクルハーン」(日本語でオンボロバイク)を聞いてもらおう。イサン人らしい自己諧謔のユーモアの中に哀感が漂う、愚痴っぽくはあるが、湿っぽくはない、なかなか味のある歌ですよ。



ケーン伴奏の飄々とした音色がすばらしい。やっぱりドンシー先生はイサン音楽の天才だ!


伸びやかな歌声のロックサレンのボーカル、チュートさんは、地元の中学の音楽教師だったドンシー先生の教え子だったという。そのチュートさんは、成功のプレッシャーに負けてアル中となって若死にし、ドンシー先生は、糖尿病が悪くなっても、医者の制止に耳を貸さず、酒を飲み続ける毎日だという。こういう顛末にも、「イサンの人だなあ」という感慨が湧く。


この歌の歌詞は、下の投稿で翻訳してある。



ではでは



<了>

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