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バンコクのど真ん中でタイとフィリピンのレディボーイが大喧嘩!

akiyamabkk

※映像は「トップニュース」の公式サイトからストリーム再生。


3月5日、バンコクのスクンビット通りで、タイのオカマグループと、フィリピンの出稼ぎオカマグループが喧嘩となり、警察が仲裁に入る騒ぎとなった。喧嘩の模様はリアルタイムでネット中継され、ハッシュタグ「オカマ大戦争」がトレンドの一位を飾った。メディアも「タイのオカマの名誉を守る戦い」と揶揄い半分ながら大々的に報じている。


事の発端は、20人ほどのフィリピン人オカマグループが、タイ人のオカマ二人に因縁をつけ、大勢で二人を小突きまわす映像をSNSで拡散したこと。これを見たタイのオカマ有志が、「数の力で横車を通すなら」とSNSで結集を呼びかけると、バンコクのみならず近県からも援軍が駆けつけ、数百人のタイ人のオカマ諸子がフィリピン人たちの泊まるホテルの前で抗議の声をあげた。


※第一報で2人とあったのでそう書いたが、4人が正解らしい。ストリーム引用したニュースでも4人としている。


「降りてこい!」タイ人オカマ側は口々に挑発するが、あまりの数の多さに怖気付いたフィリピン側はホテルのベランダから言い返すだけで、降りて来ようとはしない。近辺が騒然となったところで、ルンピニ警察署からお巡りさんが来て仲裁に入った。警察の姿を見て安心したのか、フィリピン人たちは降りて来たが、警察官の制止の声もなんのその、エキサイトしたタイ人オカマたちがフィリピン人を追い回して、フィリピン側に軽傷者が出る始末となった。


高学歴で英語のできる人材が多いフィリピン人は、タイのミドルクラス以上の収入を得てタイに滞在していることが多く、「我が物顔でふるまい、頭が高い」とタイ人に思われる傾向があるようだ。ここが、建設労働者とか漁師とか、タイ人がやりたがらない3K労働の担い手であるカンボジア、ミャンマー、ラオスの移民労働者と、フィリピン人が違うところである。(コロナ前、タイの建設労働者の6割が外国人労働者だった。ちなみに建設労働者の4割は女性である)タイ人がインドシナの周辺国にもつような優越意識が通用しない相手なのだ、


フィリピン人がタイでつく代表的な職業といえば、ホテル従業員など外国人向けの接客業や英語教師だが、先日、「タイで英語の先生をするフィリピン人は、自国での1ヶ月の稼ぎを三日でゲットする」という記事を見かけた。一般庶民の稼ぎはタイもフィリピンもそんなに変わらないから、これは、普通のタイ人の5、6倍は稼いでいるということである。ファラン(西洋人の事をタイ人はこう呼ぶ)が高給をとるなら当たり前だが、それがフィリピン人となると、割り切れない思いを抱くタイ人は多いのではないか?これは、タイ人がフィリピン人を「嫌う」、とまでは行かなくとも、「あまり好きではない」理由になっていると思う。


話がアサツテの方向にずれたが、オカマグループのタイ人も、英語ができてパーっと明るいフィリピン人オカマに、ファランの顧客、もしくはボーイフレンドの獲得競争で煮湯を飲まされていたのではないか?おそらく、対立の根は深いのである。


※以下、ちょっと補足。オカマという言葉は、現在、ポリコレ的に微妙かもしれないので、見出しではタイ語でニューハーフを意味する「レディボーイ」と表現した。しかし、タイのマスコミ記事の殆どは、「カトーイ」という、日本語の「オカマ」にあたる庶民的な言葉を使っているので、本文では、「オカマ」を使うことにした。


「第二の女性」という婉曲的な表現も使われるが、これはおそらくメディア用語だろう。「トゥット」という呼び方が一番侮蔑的なニュアンスが強く、こちらはゲイの意味で使われることが多いようだ。日本でいうニューハーフ的な性別者を呼ぶ時は、タイ人は普通「カトーイ」を使う。この言葉は、もともとアンドロギュロス、両性具有者を意味し、軽く見るニュアンスはあるが、彼らが自称する時も、この言葉を使うことが多いようである。ポリコレ的には「トランスジェンダー」「トランス女性」とでもいうのが適切なのかもしれないが、そう呼ぶと、彼らの行動様式からして、何か、ぴったり、しっくりこないのである。


<了>


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