タイ演歌の名曲たち~「田舎歌手」プンプアン・ドゥアンチャン
2013年のザ・ボイスタイランドで決勝に残った、テンモー・ワンリカーの歌う「田舎歌手」。タイ演歌の女王、プンプアン・ドウアンチャンが歌った名曲である。プンプアンのオリジナルは唱歌のように素直な、典型的タイ演歌、ルークトゥンだが、その原曲から完全に別の世界を作り上げたテンモーの歌唱も、曲のアレンジも、舞台演出も素晴らしいの一言。
このThe Voice Thailand の放送が11年前だが、日本はやっと昨年、The Voice Japan の第一回がスタートしたというのだからちょっと驚く。音楽業界における、日本の「失われた10年」「ガラパゴス化」ではないか?戦火のウクライナでさえ The Voice は継続しているし、アフガニスタンのような国でさえ、タリバンが国を再支配する前には、こういうオーディション番組があったのである。
下がテレビ東京で放送された The Voice Japan のウェブサイト。
うーん、放送はファイナルまで3回だけか。ウィキペディアに優勝者の名前も書いてないし、今後の放送は未定とある。自分が、審査員の顔を一人も知らなかったのは当たり前だとしても・・・参加者のレベルもあまり高くないような。もしかしたら、予選の厚みが他の国よりも薄いのではないか・・・
日本人はなんとなく「日本はなんでもアジアで一番、少なくとも東南アジアなどよりは優れているだろう」といまだに思いこんでいるフシがあるが、The Voice 日本VS The Voice タイはタイに完敗している印象。武尊もスーパーレックに完敗したが、まあ、吉成名高がいるし、日本にはADOとワンオクと和楽器バンドがいるから大丈夫だろう。
前置きが長くなった。以下、試訳。
田舎歌手
日は落ちかけ、たそがれ時、カラスもねぐらに帰るころ ふるさとの野畑がとっても恋しくなる 今この瞬間も恋焦がれてる
いつになったら帰れるのかと
有名になりたい一心で都会に出てきた スターになる夢を抱いて 苦しいことがあっても我慢する 田舎を出るとき、辱めを受けたのだから
故郷を後にするとき、友達に言われて悔しかった 歌手になって体を売るんだろうと・・・心の傷はまだいえない 有名になれなければ、田舎には帰らないつもり でも毎晩泣いている いつになればチャンスが来るのかと
日は落ちかけ、たそがれ時に 夢見るのは
有名になって田舎に帰ること 苦しくてもお金が無くても最後までがんばる 田舎歌手の私の歌が、いつの日か、ファンの心を癒すのよ
上二段落 繰り返し
感動的なまでに素直な、可愛らしい歌詞ですね。
以下がブンプアンのオリジナルバージョン。これを聞くと、プンプアンがいかに、演歌歌手として優れているかわかる。
<了>