タイの国産アニメ「戦士モントラー」
タイの国産アニメ「戦士モントラー〜八つの月の伝説」が10月11日から劇場公開された。内容は、タイ神話「ラーマキエン」(ラーマヤナのタイバージョン)を下敷きに、トランスフォーマーと化した善神と鬼神が大戦争を繰り広げるSFファンタジー・・・といった感じか。500年に一度、宇宙を破壊・創造する力を持つ絶世の美女シーダ姫や、姫を誘拐する魔王トサカンなど、神話の登場人物が実名で出てくる。シーダ姫の声を担当するのは、今、タイ一番の人気女優、ベラ・ラニー・ケンペン、アニメ制作はエバンゲリオン最新作の制作にも関わったプロダクション Riff Studio、ピクサーで長年修行したタイ人アニメーターが監督を務めている。
ホンモノの「ラーマキエン」なら孫を連れて見に行こうかと思うだろうが、新旧の折衷の仕方に無理矢理感があって、ちょっと微妙。元々、ラーマキエンは、大人が見る、ドロドロの愛憎劇の側面があって、子供に見せるならそれなりにマイルドに脚色する必要がある。結局、同時に上映されている「ドラえもん のび太と空の理想郷」につれていくことにした。あるいは、ディズニー制作のWish でもよい・・・おそらく、タイ人の親の選択も、そのようになるのではないか?若いアニメファン向けならば、タイ神話を全面に出すのはどうかとも思う。タイの国産アニメとしては何度目かの挑戦だが、今回も失敗に終わりそうな予感。何よりアニメーションがイマイチなのである。
<了>