注目クリップ~タイで動き始めた代替肉ビジネス
akiyamabkk
バンコクで植物性代替肉のレストランチェーン「モアミート&ビーガンベーカリー」を経営する青年実業家ウァラカン・トンチョートワラポンさんのインタビュー。映像は、タイのニュース専門チャンネルTNN16の公式Youtubeより引用。
今、植物性蛋白質から代替肉を製造するビジネスが、食料不足、温暖化対策、健康増進など、社会的な観点からも注目を浴びている。ビル・ゲイツが経営するビヨンドミートは2019年に年商1億ドルを突破し、全体の市場規模は2500億円を超える。
代替肉生産供給会社、More Meat を創立したウァラカン氏が目を付けたのは、近年高まっているタイ人の健康志向だ。
「タイ人の30パーセントが心臓の病気で亡くなり、一千万以上が肥満を原因とする病気を抱えています。タイ人の健康需要に答えられないかと、このビジネスを始めました」
タイにはビーガンを受け入れる文化的土壌がある。キンチェーと呼ばれるベジタリアン週間があるのである。毎年10月の9日間、バンコクの中華街でベジタリアン食品を売るフェスティバルが開かれる。プーケットで行われる、櫛を頬に刺したり、赤々と燃える墨の上を歩く難行奇行のフェスティバルも有名だ。
元バンコク都知事のアピラック・コーサイヨーティン氏が経営する食品会社 V- Farm は、このタイの「不定期ベジタリアン層」の需要を掘り起こし、世に言うフレキシタリアン(ゆるベジタリアン)をターゲットに、植物性肉ビジネスに乗り出している。
ウァラカン氏は、アピラック氏と提携して、新メニュー開発による事業の拡大を目指している。コロナ禍に対応して、巣籠り生活を健康に過ごすためのヘルシーメニューディリバリーも開始した。モアミートの開発担当者で姉のカンワラ―・トンチョートワラポンさんはこう語る。
「タイにはキンチェーという菜食主義の伝統がありますが、我々はキンチェーにはない味のバラエティを作り出そうとています」
ウァラカン氏は、健康食品の食材市場を拡大し、零細農家との小口契約を増やすことで、タイ農業の持続的発展に貢献したいとも考えている。モアミートの社是は「人、地球、ビジネス」。社会問題の解決と企業的利益の両方を追及する、タイソーシャルビジネスの新しい顔に期待したい。
参考
SME Thailand Clubの記事
(V Farm のフェイスブックページ)
(More Meat のフェイスブック)
Meat your match: the best plant-based meat substitutes in Bangkok
Vaganerie バンコクに6支店を持つペガンレストランチェーン