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◇オリバーストーンのJFKドキュメンタリー

akiyamabkk

JFK Revisited: Through The Looking Glass(2021)



1991年に公開されたオリバー・ストーンの「JFK」が、ケネディ暗殺に対するアメリカ社会の関心を再燃させ、情報公開のスピードアップに大貢献したことは事実のようだが、この人には「イマイチ信用できない」という感じがある。陰謀論体質というか、陰謀論を商売にする人、という印象があるのである。


JFK暗殺に関する研究の量は膨大なもので、日本語ウィキぺディアの解説も(ウィキにしては)長すぎて読みきれないほどだから、何か断定的なことを言うつもりはないが、ある一定のセオリーに従って情報を配置していけば、それなりに説得力のあるドキュメンタリーは作れるものなのである。


下は、ウィキから。



米国政府による公式発表の不可解な問題点への疑問を否定する内容

ザプルーダー・フィルムでは、大統領の頭部が弾丸の衝撃により破壊された直後に大統領の上半身は後方に動いている。また、脳の一部が後方にも飛んでいる[116]。この映像について、その致命的な射撃は前方から行われたようにも見えることから、前方にも射撃手がいたとする議論がある。一方、フロントガラスに穴は空いていないし、頭部の破片が前方に飛び散っているのが確認できる。コナリーの膝の上にも親指大の脳の一部が飛んできたと証言している。前方は開けた場所しかないので狙撃手が隠れる場所がない。

・・・・・

さらに、「政府側報告(ウォーレン委員会)によるオズワルドが使用したボルトアクション方式のカルカノ銃では 5-6 秒程度の間に三発発射し二発を命中させるのは非常に困難であり、事件後から現在に至るまで行われた検証実験で成功した例は皆無である[要出典]」という見解があるが、ウォーレン委員会報告書では、3発で少なくとも4.9秒から7.9秒超をもあり得るとしただけで、何発目が外れたかによって違ってくるので、それは明確な証拠がないため結論が出せないとした。「ウォーレン委員会、5-6 秒、3発」は完全なデマである。

また、通常は一発目、二発目、三発目と順を追うごとに照準に狂いが生じるものだが、致命傷を与えた最も正確な射撃は3発目とされている(ザプルーダー・フィルムの分析から発射した時間は 5-6 秒より長いとする説[要出典]もある)。だが、ターゲットまでの距離が遠いほど、照準に狂いが生じるとの単純な考えは誤りである・・・


ウィキペデイアのこの項は、まだまだ続くが、この辺で。


フロントガラスに穴は空いていないし、頭部の破片が前方に飛び散っているのが確認できる。コナリーの膝の上にも親指大の脳の一部が飛んできたと証言している。前方は開けた場所しかないので狙撃手が隠れる場所がない。


という箇所に注目してほしい。さらりと触れているが、これは単独犯説を支持する相当に決定的な状況証拠ではないか。ところが、ドキュメンタリーではこの点の言及がないのである。この一点だけかもしれないが、「一事が万事ではないか?」と言う印象を持つのだ。何か有効な反論があり、時間の関係でそれを省略したのかもしれないが、少なくとも言及くらいはすべきだろう。


オリバー・ストーンが質問する顔は、常にワンショットで撮られていて、これは明らかに別撮りである。ストーンが現場にいたのなら「本人が取材した」というアリバイのためにも、映像のリアル感を出すためにも、出会いの絵か、少なくとも2ショットを撮影して挟んでいる。まず間違いなく、他の人に取材させて、ストーンが話を聞いているように編集したのだ。


こういう所も、重厚に作っているようでいて、実は、かなり、やっつけ感のあるドキュメンタリーだと思った。


ではでは

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