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アジア日誌「村落幹線道路4002」

akiyamabkk



2024年1月14日 GoPro Hero 12で撮影。普通モードで撮っていると思っていたら、いつの間にか早回し撮影になっていた。村から、一番近いスーパーがある街道までおよそ8キロ、ママチャリで35分くらい。時速15キロほどだから、自転車の平均的スピードで走っていることになる。うちの村では、みんなだいたい、車か、最低でもバイクを持っていて、「自転車であんな遠くのスーパーまで行く人間など見たこともない」・・・と、噂されているらしい(笑)そんなはずはないのだが、人間というのは忘れやすい。つい30年前の携帯電話のない生活のことなど、自分も忘れてしまつている。


農村のモータリゼーションに合わせて、田舎の道もずいぶんよくなってきた。タイ政府は、幹線道路と村を結ぶ道を「村落幹線道路」(ターンルアンチャナボット)と名付けて、各地で整備を進めているようである。道がいい割に交通量はそれほどでもなく、30分走って、対向車、追い越し車がそれぞれ10台前後、オートバイが2、3台というところだ。もしかしたら「無駄使い」という批判もあるかもしれないが、この道がなければ、雨季の人の搬送に何時間もかかって、かみさんの高齢の父親などはもう何度も死んでいることだろう。危機一髪という状況が何度もあったのだ。


以前、「少数民族の村に道を通すと、文明に汚染される」と非難しているNGOの人がいた。その人は、電気のない生活を改善すべきと考えることも「文明の側の傲慢」と考えていたようだ。自分は「道ができることで医療機関へのアクセスが容易になり、乳児、幼児の死亡率が下がるのならば、文明に汚染されたほうがいいではないか」と思った。道路が良くなること、電気水道が通ること、病院、診療所、保健所ができることは、無条件で良いことであり、全てのそれ以上に良いことの大前提なのだと思う。


<了>

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