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「刑務所なら飯が食えると自動車窃盗」〜タイ語新聞より(ChatGPTによる翻訳こたつ記事)

akiyamabkk



以下、タイのネット紙アクセス数一位のカオソット紙から。

 

この記事のChatGPTによる翻訳。著作権の問題もありますので、半分のみとします。添削前の、翻訳文そのままです。

 

<見出し&リード>

 

若者がピックアップトラックを盗み、県を越えてスピードを出して逃走。その後、簡単に自首し、「病気で食事を買うお金もなく、刑務所に入った方がマシだ」と語った... (元記事は カオソット でご覧ください)。

 

<本文>

 

若者がピックアップトラックを盗み、県を越えてスピードを出して逃走。その後、簡単に降りて自首し、「病気で収入がなく、食事を買うお金もない。刑務所に入る方がマシだ。少なくとも刑務所では毎食ご飯が食べられる」と語った。 


10月2日21時20分、サムットソンクラームの191無線センターがラーチャブリー県から連絡を受け、ラーチャブリー県ムアン地区コークモーのペットカセーム通りにあるガソリンスタンドのATMで、30歳のタナコン・マハーケーオさんが車を止めてお金を引き出していたところ、白いトヨタ・リボのピックアップトラックが盗まれたとのこと。犯人はペットカセーム通りを通ってサムットソンクラームの地域に逃走した。

 

サヤム・インスワンノノ警察大佐(サムットソンクラーム市警察署長)、ペットクラ・タウィーカン警察大佐(アムパワー警察署長)、サランヤポン・オーンシン中尉(高速道路警察隊)らが、所属警察官と共に追跡を開始。ついに車はアムパワー区プライポンパーン地区の村7のワット・コークケット前で道を外れ、追跡は終わった。

 

これでも普通にわかりますが、日本語に違和感がある箇所を手直しします。これはタイ語が読めなくてもできる作業でしょう。例えば・・・(赤字が添削した箇所)

 

<見出し&リード> 

中年男性がピックアップトラックを盗み、県境を猛スピードで越えてからあっさりと自首し、「病気で食事を買うお金もなく、刑務所に入った方がマシだ」と語った... (元記事は カオソット でご覧ください)。

 

<本文>

 

男はピックアップトラックを盗み、暴走して県境を越えた後、あっさりと自首した。「病気で収入がなく、食事を買うお金もない。刑務所に入る方がマシだ。少なくとも刑務所では毎食ご飯が食べられる」と語った。 


10月2日21時20分、サムットソンクラームの警察無線センターがラーチャブリー県から連絡を受けた。ラーチャブリー県ムアン地区コークモーのペットカセーム通りにあるガソリンスタンドのATMで、30歳のタナコン・マハーケーオさんが車を止めてお金を引き出していたところ、白いトヨタ・リボのピックアップトラックが盗まれたという通報だった。犯人はペットカセーム通りを通ってサムットソンクラームの地域に逃走した。

 

サヤム・インスワンノノ警察大佐(サムットソンクラーム市警察署長)、ペットクラ・タウィーカン警察大佐(アムパワー警察署長)、サランヤポン・オーンシン中尉(高速道路警察隊)らが、所属警察官と共に追跡を開始。ついに車はアムパワー区プライポンパーン地区のムーチェット村(第7の村)のワット・コークケット前で道を外れ、追跡は終わった。

 

<添削終わり>

 

このくらい直せば、一応、出稿できるものになるのではないか?翻訳部分にない情報としては、犯人は47歳、結核にかかっていて、車内にあった金のネックレスと金のお守りを身につけていた。また、車の中には、被害者のものと思われる38口径の拳銃と5発の銃弾があったという。

 

添削に必要だった知識としては、タイでは、直訳すれば「若者」と訳される言葉が、中年男性にも使われること。(だから「若い男」を「中年男性」「男」と直した)191が百十番を意味すること。村落の名称が数字である場合があること(音訳した方が自然だと感じだ。)・・・と、このくらいだろうか。それ以外は、普通の日本語の感覚があれば修正できるものだと思う。しかし、「タイ語ができなくてもできる作業」とまでいうのは、少し大袈裟だったかもしれない。

 

タイの新聞記事は、捜査にあたった警察官の氏名と階級、役職も全て詳細に書くが(後追い取材には便利だが)一般読者には必要ない情報だろう。住所などの情報も、翻訳記事にする場合、普通は整理する箇所だと思う。しかしここでは、ChatGPTの翻訳文と対比させるために最小限の添削にとどめた。この程度の添削で、日本語として(冗長の感はあっても)違和感なく読めるようになる、ということが言いたかったわけです。それから、警察官の名前等を詳細に書くのは、おそらく警察への配慮でしょうね。「取材させてもらうバーター」、みたいな感覚か? 


このくらいの短い記事なら、ChatGPTによる翻訳に3秒、その後の添削作業に5分くらいで、「翻訳こたつ記事出来上がり」ということになるのではないか?いやはや、便利な時代になったもんだ。

 

この記事、背景にはタイの経済不況があるとハヤトチリしそうだが、この間、貧困者(世帯ではなく財産や収入を持たない個人にである)に対して一人一万バーツ(4万円くらい)が配られたところだし、隣近所ではお祝いに朝から酒を飲んでいるところもある。タイはまともに生きていれば「飯も食えない」社会ではないのだ。

 

おそらく、この人は、道を踏み外して、刑務所を出たり入ったりしている人なのだと思う。だから、簡単に、「刑務所なら飯が食える」という発想になるのだろう。あるいは、何かヤケになる事情があったのか。

 

「刑務所が最後の福祉施設」という点では、おそらく日本の高齢者の状況の方がタイよりシビアだと思う。極端な話、タイでは出家さえすれば、衣食住に困らないし、それなりの社会的尊敬が得られ、人間としての尊厳はかろうじて維持できるのである。事情があって出家できない場合でも寺男にはなれるだろう。寺の方が、刑務所よりは断然マシだ。

 

<了>


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