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「フロンティアミャンマー」の独立性に関して、読者への声明・・・を読んでみる

  • 執筆者の写真: akiyamabkk
    akiyamabkk
  • 2024年11月24日
  • 読了時間: 8分

更新日:2024年12月3日




これは周知を目的とする文章だから全訳しても構わないだろう。以下、ChatGPTによる声明の翻訳。

 

<フロンティアミャンマーの独立性に関して読者の皆様へ>

 

フロンティアは、元ミャンマー軍情報部の上級メンバーであるテイン・スエ氏が、10月下旬に北京を訪れ、これまで知られていなかったミャンマーの団体である「パラゴン研究所」の会長として、中国の2つのシンクタンクの関係者と会ったことを確認しています。彼の訪問はミャンマー軍政によって支援されたという信頼できる報告があり、テイン・スエ氏が、フロンティアのCEOであるサニー・スエ氏の父親であることから、フロンティア誌の所有関係や編集の独立性について懸念が生じています。

 

フロンティアはこれらの懸念を十分に理解しています。2021年のクーデター以降、メンバーが軍政によって投獄され、激しく拷問された経験を持つ報道機関として、私たちはこの体制がジャーナリストや報道の自由に対する重大な脅威であることを身をもって知っています。また、2004年に解体される前の、軍情報部による残虐な弾圧についても承知しており、それが今なお引き起こす怒りを理解しています。

 

読者の皆様にお伝えしたいのは、テイン・スエ氏はフロンティアには一切関与しておらず、何の役職、または経済的利害関係を持っていないということです。また、息子であるサニー・スエ氏は記事の依頼、報道、編集には一切関わっておらず、これらの業務は独立した編集チームが監督しています。フロンティアの独立性は、ミャンマーの状況についての自由で批判的な報道、特に軍政による日常的な人権侵害に関する記事に反映されていると信じています。

 

また、一部の方々の間で、テイン・スエ氏がフロンティアの取締役であるという誤解が存在していることも認識しています。これは、彼がかつて、2015年に設立されたフロンティアの元親会社であるブラックナイト・メディア株式会社の取締役であったことに由来するかもしれません。しかし、彼は2019年5月以降、ブラックナイト・メディア、フロンティア、または関連会社に一切の役職を持っていません。

 

クーデター後、多くのメディア組織と同様に、フロンティアもスタッフと編集の独立性を守るため、ニュースルームをミャンマー国外に移しました。それ以来、フロンティアはシンガポールに登録された「ブーメラン・メディア株式会社」の下で運営されており、その取締役にはサニー・スエ氏、トーマス・キーン氏、ピチャイ・チュエンスクサワディ氏がいます。テイン・スエ氏がブーメラン・メディアの取締役や株主であったことは一度もありません。 

長年にわたる読者や会員の皆様のご支援に感謝申し上げます。私たちは今後も引き続き、ミャンマーの状況についての厳しく批判的で独立した報道を提供し、世界の関心が薄れつつある中でもミャンマーの窮状を訴え続けることをお約束します。

 

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公平を期すため、サニー・スエ氏の父親、テイン・スエ氏の中国訪問について詳しく解説した The Irrawwady の記事をここに挙げておく。

 


The Irrawaddy の記事は、報道スタンスが違うライバル誌の内情に関わる話しにもかかわらず、抑制的に事実だけを記しているが、ミン・アウン・フライン上級大将の中国訪問に伴い、サニー・スエ氏の父親の話が、複数のメディアで取り上げられたことから、フロンティ編集部は説明しておく必要を感じたのだろう。

 

皆さんには、両者の記事を読んで判断していただきたいが、私は、サニー・スエ氏のお父上の軍政上層部との結びつきは、軍政内部のコアな情報を取得するうえで、フロンティアミャンマーの重要なアセットになるのではないかと思っている。これから軍政が重要な岐路に差し掛かる時、生きてくるルートなのではないか。

 

フロンティアの独立性について、私の判断の基準は、声明文の下の箇所が語っているところに尽きる。 


「フロンティアの独立性は、ミャンマーの状況についての自由で批判的な報道、特に軍政による日常的な人権侵害に関する記事に反映されていると信じています。」 


私もズブの素人でないから、謀略情報か、そうでないかぐらい読んでピンとくるのである。 


ちなみに、上記の文章にあるフロンティアの管理会社、「ブーメラン・メディア株式会社」の取締役陣について説明しておくと、トーマス・ケーン氏はヤンゴン時代からのフロンティア誌の編集長、ピチャイ・チュエンスクサワディ氏はタイの英字紙バンコクポストの現編集長である。

 

Thomas Kean


Pichai Chuensuksawadi


サニー・スエ氏は、テイン・セイン首相が主導したメディア自由化の初期から業界に関わり、現在、反体制となったメディアの一つ Mizzima TV の立ち上げにも加わっている。2021年のクーデター以降は、タイに拠点を移し、現在の編集室は、5万5千ドルの改修費をかけて自ら開設した、チェンマイ市内のオフィススペースだそうだ。


レンタルオフィス「グリーンハウス」

以下、KiriPost によるサニー・スエ氏のインタビュー。


Sonny Swe


一読して、ソニー・スエ氏は、ジャーナリストではなく、「メディア起業家」といったタイプの人のように思われる。編集には一切タッチしないというのも、あながち嘘ではなさそうだ。例えば、インタビューから以下の発言。


“You have to tell your team that money is important. A lot of journalists, they don’t want to hear about money, they think it's about credibility, it's about honesty, forget the money, but the trend is changing. The money is very important,” he said.


“For my team, I told them I need to make money. I am going to sell your journalism and make money.”


「チームにはお金が重要だと伝えます。ジャーナリストはお金の話を聞きたがらず、信用や誠実さが大切で、お金のことは忘れようと言いますが、今はその流れが変わってきています。お金はとても重要です」


「チームには、私はお金を稼ぐ必要があるんだと伝えます。皆さんのジャーナリズムを売って私はお金を稼ぐんですよ、とはっきり言うことにしています」


こういう彼のドライなメディア観が、軍政のみならず、「革命勢力」に対する批判も辞さない、自由な編集方針の基底にあるのかもしれない。鄧小平風に言うならば、「ハイクオリティなニュースを提供するのなら、黒猫でも白猫でも構わない」という経営方針である。これは読者にとっても同じことで、質の高いニュースを読めるのなら、そのニュース媒体が「黒猫であっても、白猫であっても」構わないわけだ。


下は、フロンティアミャンマー誌、今年上半期の記事見出し一覧。これを見て、自分に同意してくれる人も少しはいることだろう。



激戦地への転任命令に怯えるミャンマー中部の警官たち

「この国に未来はない」若者の国外流出で労働力不足に

革命街道〜激戦地、南部ハイウェイ

オンラインへのアクセスが生死を分ける

シャン州北部の三派同盟、軍政との4日間の停戦に合意

内線激化の中、遺跡の町パガンが観光客不足に悩む

自由への道は武装闘争にしかない〜チン州抵抗運動の現状

シャン州の中国国境への道路を少数民族勢力が掌握

事実かフィクションか?軍政の「ファクトチェック」チーム

ミャンマー最南部のマングローブが盗伐され薪炭となってタイへ

軍政の金売買の管理強化で金市場が麻痺状態

シャン州北部の山村、貧困と孤立で飢餓発生の恐れ

軍政の民兵支援が村落間の反目に拍車

「もう国に戻れない」ミャンマー徴兵難民の苦難

電力不足がミャンマーの産業界を追い詰める

血の盟約?伝統的な民族間の掟が軍事的緊張に試されている

第一回目の徴兵新兵、6月末から兵役を開始

クーデター後の社会危機で狂犬病が急増

シャン州北部の三派連合、中国仲介の停戦遵守せずと軍政側を非難

ラオス黄金三角のコールセンター詐欺奴隷労働

電力不足をソーラーパネルが一部解消?

解放区の学校で差別される非CDM家庭の生徒たち

ムスリムを失望させる「民主勢力」の過ち

募る国連への不信 麻痺状態のミャンマー国内の国連機関

モン州で始まった武装闘争

Kula、衰亡するカンボジアのミャンマー人コミュニティ 

ラカイン州で破壊され廃墟と化した町、国軍への勝利の代償

カヤ鉄道、強制労働の黒歴史

米国でジャーナリズムセミナー 新しいプレスの構築のために

ミャンマーのゲイカップルがタイのゲイの祭典で挙式

数万人のロヒンギャが戦闘を避け難民化〜国連報告

新しいEーIDカード導入に限界、違法移民の流入に拍車か

外交官・ビルマ研究者のアンナ・アロットが91歳で死去

内戦の激化に加えて、ミャンマーのドライゾーンが猛暑に襲われる

クーデター後の医療崩壊で精神医療が危機的状態に

カレニ州のレジスタンスヒーロー Marwi

ドバイの武器ディーラーのシークレットライフ

民族武装グループとメディア、そのあるべき「報道ルール」とは

徴兵への怒り爆発〜暗殺の恐怖に晒される地方の役人たち

民兵の軍規維持に亡命政権が武装憲兵創出

軍政、徴兵逃れ対策で成人男性の海外出稼ぎを禁止

バラバラ「民主勢力」の同床異夢、新たな対話の必要性

クーデター後の混乱でペットとの辛い別れ

放置される死、獄中で治療を拒否されるミャンマーの政治犯たち

徴兵から若者を守るために苦慮する地方のコミュニィティ

日本のヤクザが少数民族ゲリラからプラトニウム入手?

シャン州小数民族ゲリラの「住民皆兵」徴兵策がスタート

ミャンマー国軍、タイ国境の重要都市ミヤワディから撤退

難民キャンプの劣悪さがロヒンギャを公海上に追いやる

国境都市ミヤワディのミャンマー住民がタイ側に避難

シュエココの国境警備隊、犯罪ビジネスを生き残る

紛争か徴兵か?ドライゾーンの若者たち紛争地の故郷に戻る

ラカイン州の国内難民、戦闘に巻き込まれ援助からも遮断

国軍讃美映画VSレジスタンス映画

Mro、少数民族と国軍の戦争に巻き込まれる、超少数民族

歴史に刻まれる死、レジスタンスの闘士 Nobwel Aye を悼む

クーデター後の医療危機で計画避妊もままならない


<了>


※レンタルオフィス「グリーンハウス」のウェブサイト



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