「80億総リポーター時代を描いたドキュメンタリー・・・かな?」(映画感想文・・・まだ見てないが)
- akiyamabkk
- 12 時間前
- 読了時間: 2分
なんとまあ。以下、アジアンドキュメンタリーズのFBページから。
「イジェン火山はインドネシア・ジャワ島の東端にある活火山。火口付近に硫黄採掘場があり、有害なガスが立ち込める中、防御装置やマスクを付けない労働者が作業している。この劣悪な採掘現場に、観光客が殺到。悲劇に群がる「ダークツーリズム」の格好のターゲットになっているのだ。山の中腹の寂れた村は、深夜になると旅行業者と物売りがひしめく。観光客はガスマスクを買い求め、山頂へと向かう。目的は、SNS用の写真撮影だ。カメラのレンズは火口だけでなく、労働者にも向けられる。あまりの人気ぶりに入山料は10倍に値上がりしたが、労働者はその恩恵を受けられない。SNS時代の刺激を求めすぎる観光スタイルに、警鐘を鳴らす作品だ。」
『自撮りのために』
ちょっと別府の地獄めぐりを思い出したが、あれは温泉地だから、基本的に健康イメージ。「不健康」「危険」「有害」が観光アトラクションとなるとは!。「ベトナム観光株式会社」(だったか?筒井康隆の短編)の世界が現実のものとなっている。こういうのを ダークツーリズムと呼ぶらしい。ナイスな命名。確かにあの小説の帯には、ダークツーリズムという言葉がピッタリくる。旅行会社が「ベトナム戦争を見学するツアー」をアレンジして、農協のおっさんたちを戦地に連れて行くのだ。
インスタ写真がメインなのだろうが、中には当然、現場から中継する奴もいるだろうし、こうなってくると、「もう誰でもジャーナリスト」「リポーター」という時代かな・・・と感じる。職業的ジャーナリストもこの有象無象の渦の中に入っていって、自らを差別化し、証明しなければならない時代になったのだ。というか、職業的ジャーナリストって何?必要?と思う人が多いかも。
この作品などは、プロが状況を切り取った良質な成果なのだろうが、「観光客」「素人」の中にも、同じように引いた目線で、こういう状況を「ジャーナリスティックに」「批判的に」リポートする人もいただろう。案外、このスイスの制作者は、そういう有象無象の「素人」のリポートを参考に作品を作ったのかもしれない。パクったとまでは言わないが、SNSでの事前調査は制作者のルーティーンとなっているわけで・・・
つまり、プロの作品が、SNS的には「二番煎じ」、「切り口」「視点」そのものも借り物である可能性は十分にあるわけだ・・・というか、今や、それが当たり前のことなのかもしれない。やれやれ面倒な時代になった、面白いけど。
<了>
アジアンドキュメンタリーズ「自撮りのために」