Camp Confidential: America's Secret Nazis〜ナチス亡命科学者の秘密キャンプ(ドキュアニメ)
NetFlix 制作の30分くらいのドキュメンタリードラマ、というかドキュメンタリーアニメ。ナチスドイツの亡命科学者、技術者を協力させ、兵器技術を取得するために、戦争末期に作れらた米軍の施設があった。PO Box 1142とコードネームで呼ばれた、この秘密キャンプは、収容所のイメージからは程遠く、プール、テニスコート付きの、避暑地のような場所で、科学者たちを懐柔し情報を引き出すための接待役には、ホロコーストを逃れてアメリカに渡ってきたユダヤ人の兵士たちが選ばれた。ドイツ語に堪能だったからである。
ドイツの降伏後、NASAやCIAに雇用されたナチス系の科学者は1600人に及び、このキャンプで厚遇された科学者の中には、V2ロケットの開発者で、アポロの月着陸を成功させた宇宙開発のヒーロー、フォン・ブラウンも含まれている。キャンプは1946年に閉鎖され、軍から厳重な守秘義務を課せられた収容所スタッフの多くは、秘密を墓場まで持っていったが、このドキュアニメで、二人のユダヤ人旧スタッフが、当時の複雑な胸の内を語り、米軍の最高機密に関わる貴重な戦後秘史を証言してくれている。
再現シーンにアニメーションが使われているのだが、フォン・ブラウンたちを引率して、ユダヤ資本のデパートに連れて行き、彼らが奥さんへのプレゼントにランジェリーを買うシーンなど、うまくアニメ化していて、面白く見れた。ドイツ風の長いコートを着込み、興奮してドイツ語ではしゃぐ彼らが、目立ちすぎで憲兵に逮捕され、キャンプに連れ戻されるのだが、こういうエピソードは、やはり、実話でないと出てこない。ドキュメンタリードラマの再現シーンをアニメで処理する作品を初めてみたが、悪くないと思った。現実と再現シーンとの落差が、表現方法のジャンルが異なるため、返って気にならないような気がするのである。
考えてみると、今のAIの技術を持ってすれば、歴史上の人物を、声も含めて完全リアルに再現し、ドキュメンタリーの合間に再現シーンとして配置していくことなども可能になるのではないか?というか、予算と時間の問題でそこまでやらないだけで、もう技術的には可能なのかもしれない。自分が見たいのは、例えば、坂本龍馬のドキュメンタリーである。写真が何枚か残っているので、これは、ある程度可能なのではないか?声は、骨格から近似的に再現する。これは、以前、何かのテレビ番組で見たことがある。
ではでは